松戸市 2年連続「待機児童ゼロ」

入所保留者(実質待機児童)も85人に減少

松戸市では、子育て世代にも魅力的な「東京に隣接した子育てしやすいまち」として「待機児童対策」を最優先課題として取り組んでいる。人口減少社会を迎えるにあたり、人口維持のために「選ばれるまちづくり」を目指している。

ベビー&バースフレンドリーアワードの授賞式に出席した本郷谷健次市長の写真▲ベビー&バースフレンドリーアワードの授賞式に出席した本郷谷健次市長(左)

平成27年4月には48人の待機児童(国基準)と363人の入所保留者(実質待機児童)がいたが、小規模保育施設(0~3歳未満対象)の整備などに取り組み、28年4月には国基準で待機児童ゼロを達成。入所保留者も143人と大幅に減少した。また、今年の4月も国基準で待機児童ゼロを達成し、入所保留者も85人まで減少した。

入所保留者の内訳は、特定の園を望んでいる人が39人、求職活動が確認できない人が23人、その他育児休業中などが23人となっており、市では「緊急度が高い方々については全て受け入れができたものと考えている」としている。

保育園などへの申込については年々増えており、29年度は前年度に比べて619人増えた。そのうち、保護者の第3希望までの施設に入所できた割合は93%。また、きょうだいがいる世帯のうち、95%が同一施設に入所できたという。

また、小規模保育施設など0~2歳児を預かる施設を利用した保護者が3歳以降の預け先に困るという「3歳の壁」をつくらないための松戸市独自の対策として、幼稚園での預かり保育の拡充により、小規模保育施設の卒園後に幼稚園を利用する保護者が11・2%から21・1%に増えた。保育所では3~5歳児専用の公私連携型保育園「ケヤキッズ保育園」(旧古ヶ崎南小学校跡地。定員85人)の開園や、送迎保育ステーション(松戸駅近くの「送迎保育ステーション」で子どもを預かり、指定の保育所〈園〉へ専用マイクロバスで送迎するサービス)の活用などで全ての児童を受け入れできたという。送迎保育ステーションでも一時預かり保育を実施している。
 3~5歳の利用状況では、25年は保育所が28・2%、幼稚園が62・4%、自宅等が9・4%。28年は保育所が32・2%、幼稚園が61・0%、自宅等が6・7%と大きな変化はない。ただし、保育所は定員超過、幼稚園は定員を満たしていないという状況。0歳児から預けられ、時間も午前7時から午後7時までと長い保育所(園)に比べ、幼稚園は午前9時から午後2時までと時間が短い上に、夏休みなどの長期の休みがあるため、共働きの家庭などには利用しづらい面がある。今後は幼稚園での預かり保育を促進していくという。

施設の内訳では、27年4月には、幼稚園が39、保育所(園)が59、認定こども園が1、小規模保育施設が8だった。29年4月は幼稚園が38、保育所(園)が67、認定こども園が4、小規模保育施設が44となった。幼稚園が1か所減ったが、そのほかは増えている。特に小規模保育施設の増設が待機児童ゼロに大きく貢献した。県内で最多の整備数で、定員は695人となった。

松戸市は「共働き子育てしやすい街」ランキング地方編(東京を除く。日経DUAL調査)で、27年に全国9位、28年に全国5位になるなど、評価を高めている。

先月は「働きながら、産み育てやすい社会づくり」を促進する一般財団法人ベビー&バースフレンドリー財団が主催する第1回ベビー&バースフレンドリーアワードで、ベビー&バースフレンドリータウン賞を受賞した。