イコライザー:DVDジャケットの写真

日曜日に観たいこの一本

イコライザー

 静と動…。この作品の魅力はここにある。

 マッコール(デンゼル・ワシントン)の生活は質素で穏やかだ。昼はホームセンターで働き、夜になると24時間営業の喫茶店で紅茶を飲みながら読書に耽(ふけ)る。他界した妻は生前、ネットに出ていた「生涯で読むべき100冊」を読破しようとしていた。妻亡き後、彼は妻の面影を追うように、100冊を読破しようとしている。もう90冊以上を読んだ。今はヘミングウェイの「老人と海」を読んでいる。無駄なものが何もない彼の部屋には多くの本があり、まるで図書館のようだ。修行僧の暮らしを見ているような静けさがある。

 職場での彼はまた非常に好ましい人間だ。警備員になりたいという同僚の夢をかなえるために、空いた時間にトレーニングに付き合い、減量のアドバイスをする。

 24時間営業の喫茶店では、10代の娼婦テリー(クロエ・グレース・モレッツ)と知り合いになり、本についての他愛のない話をし、歌手になりたいという彼女の夢を応援する。

 そんな彼女がロシアン・マフィアに売春を強要され、酷い扱いを受けていることを知る。彼は大金(虎の子の貯金?)を持って、マフィアの事務所にテリーを自由にしてくれと頼みに行く。なんて良い人。なんてお人好し。だが、願いは叶えられないことを知る。

 

イコライザーの写真

 その時、何かが彼の中で切れた。いやスイッチが入ったと言ったほうがいいだろうか。

 まさに秒殺。思わず、「必殺仕事人」みたいだと思った。

 鮮やかな手口は、ただ者ではないことを示している。だが、いったい彼は何者なのか。

 この事件をきっかけに、彼はロシアン・マフィアと一人で戦うことになってしまう。

 ラストシーンを見て、かっこよすぎるよ、と思った。ヒーローってこうでなきゃ。実にスッキリした。続編ができそうな雰囲気がしたが、どうだろう。

 監督=アントワーン・フークア/出演=デンゼル・ワシントン、クロエ・グレース・モレッツ、マートン・ソーカス/2014年、アメリカ

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 「イコライザー」(アンレイテッド・バージョン) DVD発売中 3800円(税抜)、発売・販売元=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント