総事業費200億円超

新市立病院に補正予算

 松戸市議会9月定例会が10月1日、閉会した。この中で、千駄堀への移転計画が進められている松戸市立病院の補正予算案の審議も行われ、同予算案は可決されたが、今予算案によりさらに膨らむ新病院建設の総事業費を批判する意見も市議からあがった。なお計画では、新市立病院は、現市立病院から県立松戸高校方面に進んだ先の千駄堀予定地(全事業地面積約6万9800㎡)に建設し、2017年3月の開院を予定している。

 今回の補正予算案は、国からの公共工事設計労務単価の引き上げ要請に伴う建設費の増額分や、新市立病院の建物の規模を拡げるための費用などとして、約17億2500万円が計上されていた。先月17日の市立病院建設検討特別委員会で全会一致、今月1日の本会議で賛成多数で可決された。

 これまで市が示してきた建設費や用地費、器材整備費、道路整備費などを含めた総事業費は、今回の補正予算により200億円を超えることとなる。本郷谷市長が先の市長選で64億円での現地建て替えを公約としていたことや、特別委で示されてきた総事業費が徐々に膨張していることなどから、市議からは批判的な意見も目立ち、今後さらに事業費が増えるのではないかと危惧する声もあった。

 新市立病院については昨年12月に基本計画が策定され、現在は設計・施行一括発注公募型プロポーザル方式による事業者選定が行われている。今月22日に参加表明書提出期限を迎え、来年1月13日のプレゼンテーションの後、2月上旬に選定した事業者と契約を締結。工事は2015年3月着工、2年後の2017年1月末を完了予定としており、同3月の開院を目指している。

 

住民投票条例案継続

 9月定例市議会に常設型の住民投票条例として議案が提出された「松戸市住民投票条例」は、継続審議となった。

 松戸市住民投票条例の概要は次の通り。

 【住民投票の対象事項】

 市及び市民全体に直接の利害関係を有する市政運営上の重要事項。ただし、市の権限に属さない事項、法令の規定に基づいて住民投票を行うことができる事項、専ら特定の市民又は特定の地域にのみ関係する事項など、6項目の除外事項を設けている。

 【投票資格者】

 20歳以上の日本国籍を有する者(欠格条項あり)

 【住民投票の請求又は発議ができる者】

 (1)市民(投票資格者総数の10分の1以上の署名が必要)

 (2)市議会(議員定数の10分の1以上の者の賛成を得て提案し、出席議員の過半数の賛成による議決が必要)

 (3)市長(自ら単独発議することが可能)

 【住民投票の署名期間】

 請求代表者による署名(代表者証明書の交付の日から2か月以内)

 【開票】

 投票成立要件を設けず、投票率にかかわらず開票

 【投票の結果】

 市は尊重しなければならないこととした。

 

土地開発公社解散案否決

 一部の土地について、長引く景気低迷と市の厳しい財政状況等により事業化の目処が立たず、公社の金融機関からの借入利息が毎年発生していること、安いうちに土地を先行取得しておくというメリットもなくなったことなどから、市が9月定例会に提案していた松戸市土地開発公社の解散についての議案は、「提案が早急すぎる」「十分な説明が市民、議会に対してされていない」「必要な説明責任が果たされていない」「財政面の配慮がなされていない」などの反対意見が出て、反対多数で否決された。