映画上映スペース

マッドシネマ オープン

 今年1月にシネマサンシャインが閉館し、市内から映画館が姿を消した松戸市に8月末、映画上映スペース「MAD Cinema(マッドシネマ)」がオープンした。松戸唯一のミニシアタースペースとなるマッドシネマは、松戸駅西口のル・シーナビル7階のカフェ「Lift Cafe」で行われている。上映作品は、メッセージ性の強いドキュメンタリー作品が中心で、上映後には来館者同士が感想を話し合ったりするワークショップなども開いている。

松戸駅西口ル・シーナビル7階にある映画上映スペース「マッドシネマ」の写真▲松戸駅西口ル・シーナビル7階にある映画上映スペース「マッドシネマ」

 ドキュメンタリー作品中心にマッドシネマのあるスペースは普段、カフェとして営業している。ここで週末を中心に月4回ほど上映を行っているのがマッドシネマで、1ドリンク付き1500円で映画を楽しめる空間となっている。

  マッドシネマを運営しているのは、3年ほど前より松戸駅前でまちづくりのプロジェクトを展開している㈱まちづクリエイティブ。同社は、松戸駅西口の半径500メートルのエリアを「マッドシティ」として定義し、クリエイターやアーティストなどによる創造的なコミュニティづくりを進め、より魅力あるエリアに変えていくべく、さまざまな取り組みを行っている。

  マッドシネマの開設もその一環で、現在は福岡市にある映画配給会社ユナイテッドピープルから上映作品の提供を受けているが、将来的には若手映像作家などの自主映画作品発表の場などにもしていきたいという。

  今月は、26日午後7時30分、28日午後1時30分から上映が行われる。上映作品は、26日が「ヴィック・ムニーズ―ごみアートの奇跡」(上映時間98分)、28日が「サバイビング・プログレス―進歩の罠」(同86分)。

 

上映後には感想を話し合うワークショップの写真▲上映後には感想を話し合うワークショップも

  「ヴィック・ムニーズ―ごみアートの奇跡」は、有名な現代芸術家であるヴィック・ムニーズが活動拠点ニューヨークのブロンクスから故郷ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ郊外にある世界最大のごみ処理場「ジャウジン・グラマーショ」へと旅し、アートで社会変革を試みるドキュメンタリー映画。

  「サバイビング・プログレス―進歩の罠」は、ベストセラー作家で『暴走する文明「進歩の罠」に落ちた人類のゆくえ』の著者ロナルド・ライトが、目先の利益のために将来を犠牲にする「進歩の罠」によってこれまでの文明が繰り返し破壊されてきたことを指摘し、現在、人類が文明の崩壊の瀬戸際にあると警告する作品。アカデミー賞受賞監督のマーティン・スコセッシが製作総指揮をつとめている。