和名ヶ谷日枝神社

高校生が三匹獅子舞

市指定無形文化財の三匹獅子舞が和名ヶ谷の日枝神社で20日から22日までの3日間、午後7時30分ごろから9時ごろまで行われた。三匹獅子舞は市内ではほかに上本郷の風早・明治神社と大橋の胡録神社に残っており、上本郷は体育の日の前日(10月9日)、大橋は10月末の土日(10月29、30日)に行われる予定。昭和44年4月に和名ヶ谷、上本郷、大橋ともに市の無形文化財に指定された。

22日に3人の高校生が舞った三匹獅子舞の写真▲22日に3人の高校生が舞った三匹獅子舞

和名ヶ谷の三匹獅子舞は松戸では最古と言われ、ここから上本郷に伝えられたと言われている。起源、来歴などは不明で、天明年間(1781年~)に地震や飢饉(ききん)があった時に代官であった倉橋伝助が、みこし、獅子舞を奉納したとされている。獅子舞についての巻物があったが、上本郷や市川の国府台などに伝えにいっている間に紛失してしまったという。

したがって、舞がどのような物語を意味しているのかなどは不明で、後継者に伝承していくのみとなっている。五穀豊穣の祝いと厄病払いのために神の守護を祈るという意味があるらしい。10幕の場面を約1時間半から2時間かけて舞い、体力的にも大変な舞だと言われている。

獅子舞には、親獅子、女獅子、兄獅子の3人と猿1人が登場する。獅子たちは、腰に太鼓をつけており、これを打ち鳴らしながら、数人の笛の音に合わせて踊る。

今年は初めて市立松戸高校2年生の杉山稜太郎君、相羽芳浩君、野口昌彦君の3人の生徒が獅子舞を舞った。杉山君と相羽君はラグビー部、野口君はサッカー部に所属している。氏子総代の河上徹さんは、「20歳前後の人を探していたが、受験などでなかなか決まらず、たまたま高校生がやってくれるという情報を得て、お願いした」という。

 

左から杉山稜太郎君、相羽芳浩君、野口昌彦君の写真▲左から杉山稜太郎君、相羽芳浩君、野口昌彦君

3人は8月からのべ25日の練習を経て本番に臨んだ。杉山君は「師匠の方にもらったDVDを見て家でも覚えた。笛の音をしっかり覚えないと自分が今どこを踊っているのかが分からなくなるので、笛の音を覚えるのが大変でした。去年の今頃は獅子舞を踊らせていただくということは全く考えていなかったので、やらせていただけることに感謝して一生懸命やっていきたい」と話した。相羽君は「大橋の出身なので、大橋の獅子舞を見て面白そうだと思っていた。実際に和名ヶ谷で舞ってみて、やっぱりとても面白いと思った。来年もやらせていただけるなら続けたい。女獅子なのでソロパートがあり、1人で(太鼓を)しっかり叩かなくてはならない。叩き方を覚えていないといけないので、そこは難しかった」と話した。野口君は「初日は天候に恵まれなくて本殿の中での舞になってしまったんですが、お客さんや笛の方に支えてもらってできたということに感動しています。最後にケンカの場面があるのですが、内容が長いので覚えるのが大変でした。練習だけだとお覚えられないので、家でDVDを見てイメージトレーニングをしました。歴史あるものに触れるいい機会を与えていただきました」と話した。

高校生3人は、初日の20日と最終日の22日を担当した。初日は台風の影響で本殿の中で行われたが、22日は本殿の前で舞うことができた。

中日の21日は「本祭」と呼ばれる最も重要な日で、ベテランの依田貴行さん(36)、桜井一機さん(32)、江原正純さん(34)の3人が、見事な舞を見せた。