松戸市の地域情報を中心に、グルメ、イベント、おすすめスポットなど有益情報をお届けする、地域コミュニティ新聞「松戸よみうり」の第744号です。

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市が放射線対策

全保育所・学校に測定器配備

簡易測定器で市内の公園の放射線量を測定する市の職員の写真▲簡易測定器で市内の公園の放射線量を測定する市の職員(松戸市提供)

松戸市が先月25日に、放射線問題への対応策を発表した。放射線簡易測定器を公立保育所、市立小中高校に配備し、放射線の詳細測定を行い、被ばく線量をできる限り低く抑える方策をとっていく、という。

【戸田 照明】

具体的には、放射線を測定し、数値が高い場所があれば、土を天地返しにする、あるいは敷地内に埋めるか、シートをかけて立ち入り禁止にするなどの措置をとるという。

また、積算線量計を各保育所、学校に配備し、児童・生徒と行動を共にする職員などが勤務時間中携帯し、積算線量を測定していく。

民間の保育所、幼稚園にも補助金を出し、公立と同様の対策をとってもらう。

学校周囲の側溝についても放射線の測定を行い、数値が高い場合は側溝を洗浄する。

公園などについても放射線の詳細測定を行うが、予算によっては、立ち入らないように注意する看板を立てるなどの対応になる可能性もあるという。

放射線簡易測定器の品薄の状況が続いており、各学校に配置できるのは来月後半になる見通し。具体的な対策に入れるのは10月になってからとのことだが、市では現在ある3台の測定器を使って定点での測定などを継続していくという。

また、測定や対策にあたっては、保護者や町会などの協力も求めていく方針だ。

 

「目標1ミリシーベルト」のからくり

福島第一原発で爆発が起きた後の3月21日、松戸の周辺では雨が降り、風向きで上空に来ていた大気中の放射性物質が雨とともに地表に降りた。柏市を中心に放射線量の高いホットスポットが生まれているのは、このためと思われる。

市の測定でも、同じ敷地内で放射線量の高い場所と低い場所があるという。水たまりができやすいブランコの下のくぼみや側溝などは、放射線量が高い傾向にあるという。

また、地域でいうと、柏市に近い地域のほうが放射線量が高めに出る傾向にあるという。
  文部科学省は福島県内の児童・生徒が1年間に浴びる被ばく線量を1ミリシーベルトにするという「目標値」をかかげている。これは、20ミリシーベルトという上限をかかげたところ、「高すぎる」との批判がでたために、20ミリシーベルトという上限は変えずに「目標値」として示したもの。国際放射線防護委員会が一般の人の上限としている年間1ミリシーベルトに準じたものだと思われていた。

ところが、松戸市内で測定したところ、1時間あたり0・4マイクロシーベルトを超える場所もあることが、市のホームページで公表されている。年間1ミリシーベルトは1時間あたりに直すと0・19マイクロシーベルト。基準値をはるかに超えている。この状況は松戸市だけではなく、東葛の各市や茨城県の守谷市、取手市でも同じ。

市の計測結果を見た市民からは担当課に問い合わせが多く寄せられたという。

実は文部科学省は学校にいる8時間だけを対象にしており、屋外で3・5時間、屋内で4・5時間を過ごし、屋内は屋外の放射線量の40%、年間200日学校に通うという計算式で計算していた。学校以外で過ごす16時間は含まれていないのだ。

この計算式でいくと、東葛地域で最も放射線量が高めだったある小学校の1時間あたり0・63マイクロシーベルトも年間0・67ミリシーベルトとなり、年間1ミリシーベルトを大きく下回る。

このことには、文部科学省が発表した文章をよく読み返した市の担当職員が気が付き、同省に確認したという。

しかし、学校以外の被ばく線量を無視して本当に大丈夫なのだろうか。

市では、文科省の「目標値」は下回っているものの、市民により安心を与える取り組みが必要であるとの認識に立ち、子どもたちの健康と安全・安心を最優先として、今回の対策を決定したという。

ちなみに、先月8日に東葛地区放射線対策協議会の中間報告と今後の方針が示されたが、専門家の見解や調査結果の概要として「新たな放射性物質の降下が発生している状況はないことや、東葛地区の放射線量では外部被ばくによる発癌の有意な増加は考えられない」としている。

 

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作家として挑戦の舞台

友禅染作家 中澤英高さん

今秋、伊勢丹松戸店で開催が予定されている「日本伝統工芸展松戸在住作家展」(9月28日〜10月4日)。同展出品作家を紹介する「伝統工芸作家の肖像」の最終回は、友禅染作家・中澤英高さんです。

【竹中 景太】

自宅兼アトリエで作品を製作する中澤英高さんの写真▲自宅兼アトリエで作品を製作する中澤英高さん

日本工芸会正会員・中澤英高氏。東京都出身、70歳。

伝統工芸作家の肖像ロゴ

友禅職人だった父の背中を見て育ち、20代半ばの時、「オレもやるよ」と友禅染の世界に入った。師匠である父は決して教えてくれることはなかったが、失敗しても怒らず、次の日には必ず、黙って直してくれていた。そんな父の技を見て学び、職人としての腕を磨く日々を送った。

ただ、当時はすでに着物が売れない時代で、腕利きの父が問屋に仕事を求めて頭を下げる姿や、色使いなどを指定された上でこなしていく仕事にやりきれない気持ちも持っていた。

「これではいいものは作れない」。15年間、父のもとで友禅職人として修業した後、「作家になりたいんだ」という想いを父に打ち明けた。40歳からの挑戦だった。

最初は、問屋の偉い人に作品を持って行っても門前払い。それでも食い下がり、三度目くらいに展示会に作品を出してもらえることになった。同時期に、日本伝統工芸展の存在も知った。

技術的な不安はなかったが、自分の想いをどう作品に表現させるかに苦しんだ。「人と同じような点数をとる仕事だと負けるよ」と教えてもらい、必死になって創作活動に没頭した。そして、日本伝統工芸展に初入選。以後、出品をほとんど欠かさず続け、その入選歴は20回を超える。

友禅訪問着「芭蕉」の写真▲友禅訪問着「芭蕉」

日本伝統工芸展では5回の入選で正会員となるが、中澤氏がちょうど正会員になった頃、父を「2人で日本伝統工芸展に入選したらかっこいいよね」と誘った。夢は実現し、図録に親子で作品が並んだ。うれしかった。

そんな中澤氏でも、日本伝統工芸展の入選者が発表される前日は緊張感に襲われるという。「入選が目的ではなく、作家としては挑戦の舞台。だから、新しいことに取り組むようにしているけれど、新しいことをすれば新人と思われて、どう審査員にうつるか気になってしまう。だからドキドキなんです」。

70歳を迎えた今の目標を聞くと、「自分の思った通り、イメージ通りの作品ができれば。まあ、できないね。あとほんの少しのところまではいくんだけどね」と笑って答えてくれた。

 

 

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市立病院建て替え問題

市長の発言二転三転

市立病院の建て替え問題は現在、市議会の市立病院建設検討特別委員会(中川英孝委員長)で議論が進められているが、本郷谷健次市長の発言が二転三転しているため、特別委の委員も疑心暗鬼の中、検討を続けている状況だ。

6月30日の特別委で市は、新病院整備に向けての構想案を8案提示。うち3案は現地建て替えを含む内容で、この時点で市は現地建て替えを含んだ2案を「望ましい」とし、中川委員長からの「執行部案は受け入れられない。修正案ということも考えたい」という発言にも、本郷谷市長が「大変残念。しかし最終的な案を出すのは我々執行部。修正案ではなく、我々の案に対してのものを出してほしい」と応戦していた。

それが先月22日の特別委では一転して、「投資金額を節減できるのであれば、(現地建て替えに)固執することなく、柔軟に対応していきたい」と発言。これにより特別委では移転案に絞って議論を進めることになったが、今月23日に開かれた特別委でも委員から「現地(建て替え)をあきらめた、と明言してほしい」といった声があがり、それに市長が「特別委員会で1〜5案(移転案)をベースに進めるということなので、まずはその検討結果を見たい」などとあやふやな答弁しかしない、といった状況が続いている。

特別委では一刻も早く結論を導き出したいとしているが、特別委が出した結論をそもそも市長が尊重するのかどうかも未だ不透明なだけに、決着の道筋は見えてこない。

【竹中 景太】

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長浜さんに市長賞

第15回松戸市俳句大会

第15回松戸市俳句大会(市俳句連盟主催、市教委共催、松戸よみうり新聞社後援)が先月18日、市民劇場で開催された。1口2句、のべ802句の応募。選者による得点形式で松戸市長賞など5賞が決まった。入賞句と、正木ゆう子、八木下末黒、大野崇文の招待選者3氏が特選に選んだ句、当日句上位5句を紹介する。

 

【松戸市長賞(第1位)】

弟の何でも狙ふ水鉄砲

棒切れも小石も宝夏休み

長浜よしこ

 

【松戸市議会議長賞(第2位)】

空母見下してぶらんこにふたり

青丹よし奈良七条の青田かな

高木岳羊

 

【松戸市教育長賞(第3位)】

涅槃会の大きな月の上りけり

憂きことのかたまつてゐる八重桜

豊田みどり

 

【松戸市俳句連盟会長賞(第4位)】

余り苗風の棲家となりゐたる

文鎮を余白に置いて花疲れ

石川みさ子

スペース
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【松戸よみうり新聞社賞(第5位)】

牛蛙闇を歪めて鳴きにけり

蟇地球引きずり動き出す

脇坂順雄

 

【正木ゆう子氏特選】

真っ白いハンカチ関西弁がでる

椎名鳳人

闇の奥に闇の避難所春北斗

若林杜紀子

 

【八木下末黒氏特選】

たかんなの青き匂ひの中に入る

高柳かつを

震災の子のてのひらに蝸牛

横山久香

スペース
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【大野崇文氏特選】

初花やかけがへのなきこの一日

松尾涼

草は草の色を深めて西行忌

山崎靖子

 

【当日句上位5句】

一 まだ濡れてゐるからつぽの蛍籠

増成栗人

二 引き潮の砂にスコップ刺して夏

谷口摩耶

三 ひつそりと蛍袋のふえてをり

丸澤孝子

四 大胆に生きよと空に虹を引き

大石洋子

五 端居してもう叱らない母と居る

塩野谷慎吾

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松戸少年ラグビースクール

男女会員募集中

これまでのフェスタの写真▲赤いジャージの松戸少年ラグビースクール

松戸少年ラグビースクールでは3歳から15歳までの男女会員を募集中。練習は毎週日曜9時から正午まで松戸自衛隊内ラグビー場(元山)。入会金1000円、年会費1万2000円。

見学・体験大歓迎(無料)。詳しくはhttp://www.mjrs.net

 

 

 

 

 

 

 

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第7回 江戸川カッパ市

東日本大震災復興支援 復興市

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