松戸市の地域情報を中心に、グルメ、イベント、おすすめスポットなど有益情報をお届けする、地域コミュニティ新聞「松戸よみうり」の第740号です。

松戸よみうりロゴの画像

「現地建て替えは困難」

市立病院建替計画検討委が答申

緊急消防援助隊千葉県隊の一員として陸前高田市で被災者の救助にあたる松戸市消防局職員の写真▲建て替え問題で揺れる松戸市立病院

市立病院建替計画検討委員会(委員長・山浦晶県立保健医療大学学長)が先月28日、市中央保健福祉センターで開かれ、現地建て替えについて「現実の問題として非常に困難」と結論付け、「移転建て替えを検討すべきとの意見が多数を占めた」とした上で、「5年を目途に新市立病院の完成の道を探るべきである」との提言を答申に盛り込んだ。後日、答申書は本郷谷健次市長に提出され、市長は「答申内容及び提言を尊重した新病院の構想案を、3か月を目途に策定したい」などとする声明を発表したが、他方で現地建て替えに固執する姿勢も見せている。

【竹中 景太】

「移転建て替え検討を」

同委員会は、市立病院の現地建て替えについての検討・検証、市立病院建替計画の検討を諮問事項に、昨年10月からこれまで10回にわたり会議を開催。具体的には、医療コンサルタント会社から提示された現地建て替え案の検証や、公募市民、市立病院の医師らの意見を聞く「意見を聴く会」の開催、現地建て替えと移転建て替えした場合の比較、病床数を含めた病院の規模などについて、議論が重ねられてきた。

市長に提出された答申では、結論としてまず、「現在と同規模程度の病床数を確保することが必要であり、将来の高齢化とともに激増する医療ニーズに対応するためには、建設予定地にさらなる拡張の可能性が求められる」とした上で、現地建て替えに付随する主な問題点として、限られた敷地内での建て替えであることから設計上の自由度が制限される、新築・改築・改修に伴う工事は複雑な過程を経ることとなる、そのために工期が長くなり工事負担が多大になる、その間に発生する減収はきわめて大きい、ことなどを挙げ、「現地建て替えは、現実の問題として非常に困難である」と結論付けている。また、提言では「すでに短からぬ年月にわたる議論にかかわらず、未だ方向が定まらぬことから、医師等職員の士気の低下は無視できず、5年を目途に新市立病院の完成の道を探るべきである。なお、質の高い病院を出来るだけ早く、安く建設する方法について検討されたい」としているほか、「同時に東松戸病院の建て替えと活性化を積極的にすすめ、両病院が適切なパートナーシップの下に市民の健康を守るいっそう強力な砦となることを期待する」とした。

 

問われる市長の判断

この答申を受け、本郷谷市長は声明を発表。新病院の構想案を3か月を目途として策定したい考えを示したほか、「市立病院と東松戸病院の役割分担を再構築しつつ、できるだけ早く安く新病院を完成させるよう努力したい」と表明した。

しかし、その後行われた記者会見では、マニフェストとして掲げた「現地建て替え」に固執する姿勢を見せ、また、建て替え問題を取りあげたテレビ番組の取材では、マニフェストを撤回することなく、かつ検討委員会の答申も尊重した「腹案」があるような趣旨の発言をしていた。本当にそんな妙案があるのか甚だ疑問だが、耐震性に問題がある病院だけに万が一のことも考え、一刻も早い決着が待たれている。

▲ このページのTOPへ ▲


坂川で鯉が産卵

坂川で産卵する鯉の写真

11日、松戸神社の前を流れる坂川で鯉が産卵しており、沿道を歩く人々の注目を集めていた=写真=。3〜4尾の鯉が群れて泳ぎ、激しく水面をたたき、銀色の水しぶきをあげていた。
  古ヶ崎浄化施設が節電のためにあまりポンプを動かしていないため、坂川に流入する浄化水が制限され、水量は少なく、濁っていた。汚れに強い鯉はいいが、最近生息が確認されている鮎には厳しい環境と言えそうだ。

 

 

 

 

 

【戸田 照朗】

▲ このページのTOPへ ▲


「化学」と「芸術」の融合

七宝作家 小倉園子さん

今秋、伊勢丹松戸店で開催が予定されている「日本伝統工芸展松戸在住作家展」(9月28日〜10月4日)。同展出品作家を紹介する「伝統工芸作家の肖像」の4回目は、七宝作家の小倉園子さんです。

【竹中 景太】

自宅兼アトリエで作品を製作する小倉園子さんの写真▲自宅兼アトリエで作品を製作する小倉園子さん

小倉さんの紹介へ入る前に、まず七宝焼とは、銀や銅などの金属の生地に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を焼き付ける工芸技法。日本伝統工芸展を主催する日本工芸会では、諸工芸部会に属している。

伝統工芸作家の肖像ロゴ

日本工芸会正会員・小倉園子氏。東京都出身、76歳。小倉さんの七宝との出会いは、23年前。NHK婦人百科掲載の「透胎七宝」で七宝焼を目にし、たまたま訪れていた日本橋三越で開催されていた日本伝統工芸展で生の七宝作品を見て、心奪われた。

「それまでピアノを弾いていて、自宅で教室も開いていました。音楽で美しいものを表現したいと常々思っていましたが、目にした七宝焼はすばらしく美しかった。自分でも作りたくなった。七宝で美しいものを表現してみたいと思ったんです」。

偶然立ち寄った三越で、偶然目にした七宝作品。中でも心ひかれた作品があり、すぐに作家へ連絡した。「一度アトリエに遊びに来ませんか」。この一言で七宝作家への道を目指すこととなった。

もちろん、はじめはそこまで本格的にのめり込むようになるとは思っていなかった。ただ一生懸命に、基本を繰り返し教わり、作品作りに励むうちに、七宝の魅力に魅せられていった。そこには学生時代に学んだ、経験してきたものを生かせる喜びもあった。

小倉さんは東邦大学生物学科卒業後、東京大学理学部生化学科教室に研究生として在籍し、化学に没頭する時代を過ごした。七宝焼では釉薬を焼き付ける工程があるが、ここに「化学」の要素が含まれる。

「釉薬は、熱を加えることで化学反応をおこさせて焼き付けるものです。化学に理解があったからこそ、その化学反応も理解でき、作品作りに大いに生かすことができました」。

その後、小倉さんは自宅に「立体焼成炉」を購入し独立。独学で試行錯誤しながらも作品を作り続け、公募展にも積極的に出品を続けた。その結果は輝かしいもので、これまでに日本伝統工芸展への入選は実に15回を数え、第25回日本作家協会展では一般公募での最高位の東京都知事賞も受賞している。

 

小倉園子さんが製作した「組込七宝平香炉入飾箱」の写真▲小倉園子さんが製作した「組込七宝平香炉入飾箱」

「七宝は化学反応以外の何ものでもありません。それをいかにミスしないでやるか。自分でやっているのではなく、自分を無にして、インスピレーションで製作している部分もあります。ただ何より、主人の理解、そして健康であったからこそ続けてこられたものなので、そろそろ潮時かなという思いもあります。それまでに満足のいく作品を完成させたいですね」。

松戸在住作家展に出品する作品は思案中だが、「作品全体から香りが漂う」そんな作品を出品したいと話していた。

 

 

▲ このページのTOPへ ▲


ささえよう日本、元気を松戸から!大震災復興支援イベント開催

昭和25年の松戸に会える

「舞台は松戸だ!」映画「朝風に乗って」の上映と朗読

市民劇場で

東日本大震災復興支援のイベントとして、「ささえよう日本、元気を松戸から!」と題した催しが、今月29日と30日に戸定が丘歴史公園で行われる。

また来月15日には、映画と朗読「舞台は松戸だ!」が午後1時30分から松戸市民劇場で開催される。料金は前売り1000円(当日1500円)。収益の一部は義援金に。

昭和25年の松戸がロケ地となっており、当時の松戸をかいま見ることができる希少な映画「朝風に乗って」(東宝)を上映するほか、この映画に中学生吉村くんとして出演した久保明さんのトークショー、「瑠璃の会」による松戸を舞台とした文学作品の朗読も行われる。

問い合わせは、電話 389・1977 NPO法人松戸市民劇団まで。

 

>>>クリックで拡大

地図

▲ このページのTOPへ ▲


大田元知事が基地と平和について講演

松戸自主夜間中学で2400回記念授業

松戸市民スプリングゴルフ大会の写真 ▲大田昌秀さん

松戸自主夜間中学校開講2400回記念公開授業が、来月2日、午後6時30分から8時30分まで、松戸市勤労会館ホールで開催される。講師は、元沖縄県知事で、大田平和総合研究所主宰の大田昌秀さん。入場は無料。

松戸自主夜間中学校は、83年に開講し、開講回数が2400回を迎える。これを記念して、大田さんを迎えて記念授業を行う。

戦後65年を経た今もなお、日本の国土面積のわずか0・6%しかない狭い沖縄県に、在日米軍専用施設面積の約75%にも及ぶ広大な面積の米軍基地が存在している。世界一危険といわれる普天間基地、極東最大の空軍基地の嘉手納基地など、なぜ沖縄にだけこんなに多くの基地があるのか。沖縄から基地をなくすには。沖縄に平和を取り戻すには。「大田さんの話をお聞きして、ご一緒に考えてみませんか」と、同自主夜間中学では市民の参加を呼びかけている。

問い合わせは、電話 090・3103・1006事務局の榎本さんまで。

▲ このページのTOPへ ▲


憲法記念日の集い

翌3日には、大田さんの講演会が「2011年松戸憲法記念日の集い」として、同じ松戸市勤労会館ホールで開催される。時間は、午前10時から正午までと、午後3時から5時までの2回。参加費500円(資料代。18歳以下無料)。定員は先着各150人。
  テーマは「ひろげよう! 憲法9条 不戦の誓い …《基地はいらぬ》考えよう日本と世界の平和を」。
  問い合わせは、電話 344・9454(FAX兼用)実行委員会・今井修平さんまで。

▲ このページのTOPへ ▲