松戸市の地域情報を中心に、グルメ、イベント、おすすめスポットなど有益情報をお届けする、地域コミュニティ新聞「松戸よみうり」の第722号です。

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16年ぶり新市長誕生で市政は変わるか

本郷谷健次氏に聞く

松戸駅東口で市政の変革を訴える本郷谷健次氏の写真 ▲松戸駅東口で市政の変革を訴える本郷谷健次氏

13日に行われた松戸市長選挙で、無所属で民主党推薦の本郷谷健次氏(61)が5万5369票を獲得し、初当選を果たした。次点は4万7897票を得た現職の川井敏久氏(67)。以下、杉浦誠一氏(60)2万9354票、末松裕人氏(45)1万9051票、伊藤余一郎氏(68)9292票という結果だった。投票率は42・07%で前回の34・44%を7・63ポイント上回った。公示直前に民主党の菅新政権が誕生したことも本郷谷氏の追い風になったと見られる。市立病院の移転建て替えを主張する川井氏に対し、本郷谷氏は現地での建て替えを主張し、当選した。直近の課題としては市立病院問題の今後が注目される。初登庁は来月5日の予定。

【戸田照朗・竹中景太】

 

 

松戸市の現状の問題点

まず本郷谷氏が選挙戦で訴えたマニフェスト(政権公約)について整理しておきたい。

政策の前提となる松戸市の現状としては、「今年2010年度をピークに人口が減少に転じる」「年齢別純移動数で、学生、高齢者は増えているが、子育て世代の30代、40代の流出が激しい」「地価が近隣市に比べて商業地、住宅地ともに低く(市川市の約半分)、市民一人あたりの市税収入では、市川市より約2万4千円、柏市より1万9千円、船橋市より1万6千円、千葉市より4万6千円も低い」「松戸市の借金総額は約1883億円。歳出では義務的経費比率が58・65%も占めているため、投資的経費比率が6・92%と新しい都市基盤などへの投資ができない。人件費は歳出の27・43%を占めている」「耐震性に問題のある学校施設が152棟ある」などをあげている。

 

55項目のマニフェスト

本郷谷氏は55項目のマニフェストをかかげているが

  1. 市立病院移転に反対。現地での建て替えを推進
  2. 議員定数を大幅に削減(現行46人の3分の1を削減
  3. 3年間で財政再建のめどを付け、改善した一部を減税
  4. 駅前保育園など子育てを社会化(無認可保育園の支援、主要駅前保育園の設置、保育ママ制度の充実、一時・延長・病児病後保育の充実、放課後児童クラブの6年生までの延長など)
  5. 支所毎に「地域協議会」を設置し、市民税の約1%にあたる6億円を「地域協議会」やNPOに分配し、地域のことは地域で決める街づくりを目指す

の5項目を特に強調している。

他には、「保育園の待機児童をゼロに」「医療費の助成を小学校卒業まで拡大」「公教育の学力向上」「民間人校長の登用」「国民健康保険料と介護保険料を引き下げ」「小中学校の校舎の耐震化工事を前倒しで実施」「21世紀の森と広場に新駅を開設」「日曜日も市役所・支所・出張所を開庁」「住民投票条例を設置」「政策目的による行政評価による見直しで、100億円程度の財源を確保。事業仕分けを実施」「市長の多選禁止条例を設置」「市長の退職金、市長車を廃止」など。

 

松戸市の現状の問題点

まず本郷谷氏が選挙戦で訴えたマニフェスト(政権公約)について整理しておきたい。

記者 まず、病院問題について、どうされますか。

本郷谷 1号館から5号館まであって、2号館から5号館までは利用できるが、1号館には耐震に問題があるというのがベース。使えるところは使いながら、だめなところは作りなおすということで、現地での建て替えを是非推進したい。紙敷の移転計画はなしです。松戸市は貯金ゼロ。移転するとすれば全て借金になる。松戸市に負担のありすぎる事業で、今後病院事業に振り回されることになる。移転がいい、悪いということではなくて、無理だということです。

記者 紙敷の移転用地はもう購入しているわけですが、この土地はどうするのですか。

本郷谷 紙敷というのは、(松戸市で)最後に残った開発地。小学校や幼稚園、保育園、支所などが遠いなど、社会的なインフラがまだ整備されていない。小学校は無理にしても、(移転用地には)支所機能の一部を持たせるとか、商業施設も入るような複合的なビルをつくりたい。若い人たちが引っ越してきても大丈夫なように、整備したい。

記者 移転しないとなると、医師や看護師などスタッフのモチベーションが下がり、辞める人が出るのでは、と危惧する向きもありますが。

本郷谷 個別に皆さんとお話したいと思っている。ちゃんとした医療機器があるかとか、医業を積むことで次のステップにいけるかとかが医師にとって満足度につながるのでは。そういった環境をつくることが大切。二百数十億をかけて移転をするくらいなら、そのお金を医師や機器に使いたい。

記者 現地建て替えだと、入院患者さんに移動してもらうわけですが。

本郷谷 都内の大学病院などは、狭い土地で営業しながら順番に建て直している。十分やれると思う。患者さんへのご負担も許される範囲内だと思う。

記者 将来的にも移転はないのですか。

本郷谷 将来的にもないです。1号館、2号館と10年ごとに増築してきているわけで、10年後には2号館を建て直さなくてはならない。それを前提に1号館を建て直す。医業はすごい勢いで進歩している。医療機器や治療内容も変わってくる。一方で患者さんも高齢化し、病気の種類も変わってくる。今ベストの病院を作っても、10年後には陳腐化してくる。次に建て直す時にそれを修正したい。そのほうが進歩に合って市民にとっていい病院になるのでは。

記者 慢性的な赤字が続いていますが。

本郷谷 政策医療をやっているわけですから、もうからないところを中心にやらされているわけだし、また(公立の病院として)やらなくてはならない。だから赤字はいいんです。ただ、全国の市立病院の中で一番赤字というのが問題。年間27億円を市が支出しているが、全国750ある市立病院のなかで20億を超えているのは3つしかない。10〜15億を落とす、つまり普通の病院並にしていきたい。 それには医師不足を解消していかなくてはいけない。市立病院と言っていますが、実は千葉大の付属病院のようなもの。千葉大の医局に医者がいなくなってしまったので、市立病院までまわせなくなった。ここを解決するには2つしかない。ひとつは、千葉大が供給できないなら、縮小する。もう一つは、千葉大をベースにしながらも、診療科目によっては別の病院と提携する。 600床を450床にする。市のいろんな審議会の検討資料は全部450床が適当な規模だと書いている。今の(患者)10対(看護師)1が、7対1になれば、そんなに看護師は不足しないと思います。

記者 600床から450床になると収入も減るのでは。

本郷谷 収入も減るし、規模も小さくなる。赤字を減らしたいだけ。規模が大きくなれば赤字も大きくなるリスクがある。税金でまかなう病院ですから、リスクのある事業はできない。

記者 市立病院の必要性は?

本郷谷 民間ではもうからない分野はやってくれない。市民の健康を守るためにも、救急、周産期、小児科はやらなくてはならない。

記者 建て替えの時期は?

本郷谷 スタートするまでに半年。工期に2年くらいはかかると思う。

 

「地域協議会」で地域自治

記者 地域自治というようなことを訴えられていますが。

本郷谷 高度経済成長以前の日本は地域での助け合いがあった。しかし、だんだんと税金を払い、サービスの提供を受けるという仕組みに変わってきた。子どもが熱を出したら、昔は近所の人に預けて、ということができたが、今では病児保育所とかお金のかかることに。これからは、それではもうやっていけない。地域で助け合う仕組みを作っていかなくてはいけない。

学校のPTAやスポーツのクラブ、自治会や防犯組織、NPOなどが地域にあるが、まだバラバラ。横のつながりを作りたい。

まちづくりの観点から言うと、例えば高層アパートを作らせないという条例があってもいいわけだが、そのための地域のコンセンサスを得る仕組みがない。市役所の下に「地域協議会」を作り、一定程度の予算をつけて自分たちでまわしていけるように。そのリーダーは選挙で選ぶ、ということまで考えている。

本郷谷健次氏の写真とプロフィール

本郷谷健次氏 1948年名古屋市生まれ。東京大学経済学部卒。新日本製鉄(株)では人事・総務関係、監査法人で国のコンサルティング業務に従事。06年6月松戸市長選に立候補、45,333票で次点。同年11月松戸市議会議員選挙に立候補し、当選。

記者 地域政府のような感じですか。予算は6億という具体的な数字が出てますが。

本郷谷 市民税の約1%程度です。

記者 地域協議会は小学校単位で?

本郷谷 海外などでは、小学校単位がお互いの顔が見えていいといわれていますが、松戸は学校が多いので、支所単位(10か所)かなと思っています。松戸は支所機能がしっかりしているので、支所の人たちがそれぞれのグループをバックアップする。支所がしっかりしてくれば、市役所の機能を縮小してもいい。市役所は耐震の問題があり、建て直すのに100億円かかると言われている。新しい市役所は小さくして作りたいと思っている。

記者 区に分けるみたいな話ですね。

本郷谷 区長は行政マンですけど、地域協議会のリーダーは市民です。市議会議員は46人いますが、2つ機能があって、地域の要望を上げていくということと、市全体の議論。地域のことは地域に任せればいいと思っている。それで、市議会の議員も減らし、市の職員も減らしたい。できるだけ分散型にしたい。

記者 一方で政令指定都市を目指すとおっしゃってますが、相反しませんか?

本郷谷 政令指定都市で自治の規模を大きくすることで、財政基盤をしっかりさせる。市を大きくすると住民との距離が離れてしまうので、住民に近いところにしっかりした組織を作っておかないといけない。生活に密着したことをやるところ(協議会)と、全体の地域行政をするところ(市)を分けないと。地域で解決しない問題だけを市でやる。

記者 地域協議会はいつごろから?

本郷谷 テストケースでひとつか、2つのところでスタートさせたい。

記者 具体的には?

本郷谷 小金原団地や常盤平など、地域的にまとまりのあるところから、テストケースとしてやっていきたい。

 

市議会議員を大幅削減

記者 市議会議員の定数はどのくらい減らすつもりですか。

本郷谷 今の46から30ぐらいまで減らしたい。まず8ぐらい減らして、地域協議会がしっかりしてきたら、また8減らして、30ぐらいにしたい。

記者 地域協議会が議員のかわりということですか。

本郷谷 今の市議は地域の代表者みたいなところがある。地域の予算のぶんどり合戦みたいなところがある。地域に予算をつければ、地域のことは自分でやればいい。(地域代表みたいな)議員はいらなくなる。市全体の議論だけできればいい。そうすれば、もっと減らせる。

地域協議会で地域内自治をしっかりすれば、議員の数を減らせ、機能的な議会を開ける。人数が減り、テーマが限定されれば、土日や夜に開いて、もっと市民に開かれた議会になる。

記者 そもそも市議というのは地域の代表ということでいいんでしょうか?

本郷谷 地域の代表ではなくて、市全体の議論をする人に議員になってもらいたいと思う。

記者 11月の市議選には(候補を)擁立されますか?

本郷谷 僕自身は自分の市政を貫いていく。9月議会で議会の抵抗でにっちもさっちもいかなくなることがあれば、手を打たなくてはならない場合もあるだろうが、今は議会と対決するつもりはない。今は、一番近い民意が僕に来ていると思っているので、それで政治をしていきたい。議員もそれは理解していると思うし、11月には自分たちの選挙があり、今の民意を理解しながらやらなくてはいけないわけだから、(本郷谷氏の政策も)一定程度理解してくれると思う。

記者 11月の市議会議員選挙は現行の46人で施行されるんでしょうか。

本郷谷 いや、これからの議論だと思います。

 

人、自転車中心のまちへ

記者 市職員の給与カットなどは考えていますか?

本郷谷 人件費は1割ぐらい削減していかなくては。採用を止めるか、給与カットするか2つの方法しかない。採用を止めてどこまでできるか。それで足りなければ、給与カットもありうる。

記者 採用を止めると、将来の人材不足が不安では。

本郷谷 民間の人も登用していきたい。できるだけ、市が手足を出すことは減らし、将来的には全体を見て企画的なことができる人しかいらないと思っている。そんなに人はいらない。

記者 副市長を民間から登用するということも?

本郷谷 副市長を2人にして、ひとりを民間の感覚を持った人、もうひとりは、職員が4000人もいるわけだから、全体を動かせる、中の人間関係をよくわかった人、という考えはある。ただ、まだ白紙です。

記者 行財政改革については、どうしていきますか

本郷谷 短期的にできる行財政改革はない。人件費などを削減する一方で、増収も考え、工業、商業の活性化も考えていかなくてはならないので、財政再建は簡単ではない。やれる仕事は市民に任せたり、職員一人がいろんな仕事ができるようにしてから、人件費を削減する。事業仕分けは、市民への情報公開という意味合いからも是非やりたいが、大きな財源は出てこないだろう。ただ、今までの行政はそういうことを一切やってこなかったことが問題。財政改革には3、5年先を見てやらないと。

記者 市民税の減税をやる、と話されていますが。

本郷谷 行財政改革の成果があがっても、例えば10億、20億が出てきたとしても、今まではそのお金がどこにいったのか分からなかった。その一部を税金を払うのに苦労している人たちに還元していきたい。

記者 30代、40代の転出が多いとか、周りの市に比べて担税力が低いとか、市民にとってはショックな数字が出ていますが。

本郷谷 子育て、教育、文化の香りのするまちになれば、所得の多い人が集まり、地価も上がる。道路を2車線から1車線にして、一通にしてもいいと思っている。1車線を歩道や自転車通路にする。人口は今がピーク。人が減り、年齢が上がれば、渋滞もだんだん減っていくはず。車中心のまちづくりから、人、自転車中心のまちづくりへ。公共施設の壁を芸大の学生に開放して、好きに絵を描いてもらうとか、そんな特徴のあるまちづくりをしないと、松戸の価値は上がらない。

 

 

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萬満寺「怪談」

読者2組ご招待

萬満寺本堂で行われる朗読芝居・小泉八雲「怪談」の写真 ▲萬満寺本堂で行われる朗読芝居・小泉八雲「怪談」

朗読芝居・小泉八雲「怪談」其の伍(小泉八雲記念館後援、映画監督・大澤豊氏推薦)が来月24日午後7時より馬橋の萬満寺本堂で開催される。

萬満寺で「怪談」が公演されるのは今年で5回目。夏の夜にお寺の広い本堂で行われる怪談は雰囲気もあり、毎年好評を得てきた。

今年はもう一度の声が多かった「水飴を買う女」「死骸にまたがる男」「十六桜」「破られた約束」「耳なし芳一」の5作品が披露される。語り手は森優子さん、大越恭子さん、是永千穂さんで、構成は鈴木之彦さん。

前売りは1800円。当日2300円。申し込み・問い合わせは、電話 348・4315森さん、yandyplanets@yahoo.co.jp鈴木さんまで。

同公演に2組4人をご招待。招待券ご希望の方は、ハガキに〒住所、氏名、年齢、電話番号と「今号の松戸よみうりで好きな記事(欄)」、「身近な話題」(投稿欄に採用する場合あり。ペンネーム、イニシャル、匿名希望の方はその旨を明記)を書き添え、〒270-2232 松戸市和名ヶ谷723、松戸よみうり新聞社「怪談」係まで。FAX(392・3288)も可。締め切りは7月5日(月)。応募者多数の場合は抽選。

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きょう決勝トーナメント

市ジュニアソフト

松戸市ジュニアソフトボール連盟(綿内功会長)主催による、市長旗争奪「第69回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)はリーグ戦が終わり、各リーグ上位2チームによる決勝トーナメントがきょう27日、新松戸西小で行われる。出場は、東リーグ優勝の馬橋中央子ども会、準優勝の虹の街、西リーグ優勝の北松戸風の子子ども会、準優勝の古ヶ崎SK、南リーグ優勝のウイングス、準優勝の元町モンキーズ、北リーグ優勝のやなぎフューチャー、準優勝の大畑ユニオン。

6月20日までの試合結果は次の通り。

大会7日目(6月13日)

▼東リーグ

馬橋中8─7竜房台

  寿 8─5二ツ木

馬橋中11─1杉の子

  寿 6─0稔 台

虹の街24─0和名谷

二ツ木14─0あじさ

稔 台5─5和名谷

▼西リーグ

わかば6─2三ヶ月

風の子9─1たんぽ

古ヶS3─1三村新

風の子7─3相模台

わかば6─4火の見

古ヶS9─6金ヶ作

三ヶ月6─3火の見

 

 

▼南リーグ

南 部6─2横須賀

ゆうか1─1さつき

ウイン10─1横須賀

さつき2─1千駄堀

ゆうか1─0こばと

千駄堀7─6ひまわ

ウイン2─0元 町

▼北リーグ

常盤平3─1秋 山

中金杉8─3松ヶ丘

大 畑10─0秋 山

松ヶ丘8─2城 町

古ヶ二5─1常盤平

やなぎ10─0城 町

大会8日目(6月20日)

▼東リーグ

二ツ木6─5竜房台

虹の街7─0馬橋中

あじさ13─9和名谷 

▼西リーグ

三村新8─3相模台

たんぽ6─5金ヶ作

▼南リーグ

元 町6─1ゆうか

ウイン12─0南 部

ゆうか5─0ひまわ

元 町4─0南 部

千駄堀5─1こばと

ウイン7─0ひまわ

さつき7─0こばと

▼北リーグ

やなぎ2─0陣ヶ前

中金杉0─0古ヶ二

やなぎ4─0常盤平

古ヶ二9─2城 町

 

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