松戸市の地域情報を中心に、グルメ、イベント、おすすめスポットなど有益情報をお届けする、地域コミュニティ新聞「松戸よみうり」のバックナンバー第719号です。

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東葛の寺社めぐり(2)

旧野田市の神社・仏閣を訪ねる旅<下>

多賀神社近くの石造物群(右)と天神社の梅の写真 ▲多賀神社近くの石造物群(左)と天神社の梅

旧野田市の最終回は、市域の利根川沿い、県道7号線(我孫子関宿線)沿いに点在する寺社を紹介する。文末の地図でも分かるように、東武野田線だと7駅分ぐらいに相当する距離。徒歩ではつらく、自転車が適当かもしれない。河川敷の緑やゴルフ場、田畑が点在する長閑(のどか)な場所である。

【戸田 照朗】

 

 

船形の寺社とのどかな風景

国道16号線から県道142号線(岩井野田線)に入る。あえて最寄り駅をあげると、七光台か川間になる。

「田端」というバス停から右の小道に入ると、天神社がある。境内には、梅の木があり、取材で歩いた春先にはちょうど花が咲きかけたところだった。

少し歩くと、今度は右手に多賀神社がある。道から見えなかったので周辺を探し歩いていたら、塚のような小山にいくつもの石仏がたっていた。昔からここにあるのか、後にまとめて移されたのかは分からないが、農村の辻道を思わせる風情である。

 

船形八幡神社参道の写真 ▲船形八幡神社参道 富蔵院の写真 ▲富蔵院 熊野神社の写真 ▲熊野神社 不動尊の写真 ▲不動尊

少し歩いた右カーブで県道をそれて、左にある小道に入ると、じきに八幡神社に着く。ここの神社は参道が面白い。両脇は畑になっているが、木々に覆われた一本道の先に社殿があるように見える。記録によると天正18年(1590)2月13日に村民が氏神として建て、宝永3年(1706)に再建されたという。市指定文化財の「天正18年銘文船形八幡懸仏」という鏡板の表面に本地仏を描いたものが伝わる。

 

 

 

県道142号線に戻ると、県道7号線との交差点に、香取神社と富蔵院がある。この香取神社にはオビシャ行事が伝わる。

県道7号線を南下する。中村建鉄という会社の裏の斜面林の途中に天満大自在天神が、ひっそりとあった。

県道左に観音寺、右に宝光院があるはずだが、お墓と小さな建物があるだけだった。

 

 

 

県道と平行して走る市道に入る。左手に熊野神社があるが、畑の中にあるような神社で、参道も土の道になっているところが面白い。

 

 

 

 

 

 

さらに先に進むと、小山の上に自治会館と不動尊があった。境内には神社もあり、お堂の周りを囲むように石仏が置かれていた。

 

 

 

 

 

 

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観音院の写真 ▲観音院 マリア観音の写真 ▲マリア観音(野田市提供)
目吹の観音院とその周辺

マリア観音と行人塚

県道7号線を南下すると3号線(つくば野田線)の交差点手前左に観音院がある。

同院には脇本尊として「マリア観音」が安置されている。

境内にある説明板によると、マリア観音は江戸期の造像で、総高約40センチ。上半身を左にくねらせて、腹部が前後まるまるとふとっているので、「おはら観音」「身ごもり観音」とも呼ばれている。

伝えられるところによると、キリスト教弾圧によって起こった天草の乱を逃れた行者が、出羽三山のひとつ湯殿山大日寺より遙々背負ってきた像であるといわれている。この行者は堯山(ぎょうざん)と称し、この地に庵を構えた後も村人とはあまり交わりもせず、風月を友として暮らした。老いて、死期を悟ると、村人に墓穴を掘らせ、穴中に即身仏のように座し、7日7夜念仏を唱えて、その声が絶えたと伝えられる。そこには「行人塚」と称す供養碑が建てられている。

同院の過去帳には「堯山元禄三年八月十五日寂」と記されているという。

この堯山こそが天草四郎時貞その人ではないか、という説があるという。また、天草四郎自身ではないにしても、天草の乱の落ち武者が、観音の腹部に十字架をひそめて、この地まで流れてきたのではないか、という。

マリア観音は秘仏で、檀家でもめったに見ることができないという。

 

 

 

 

 

 

奪衣婆坐像の写真▲奪衣婆坐像(『野田市民俗調査報告書』3集より)

同院の方にうかがって、行人塚を探してみた。

少し県道を戻ったころに「日本一」といううなぎの加工会社があるが、道を挟んで反対側の小道を行くと、辻に1本の木と小さなお堂がある。行人塚というから、小さな小山のようなものを想像していたが、これが行人塚だという。中には何か石造物が見える。

このお堂は畑の端にあり、この畑の持ち主の農家の方にうかがったところ、昔から「行人様」と呼ばれ、彼岸には花をそなえるなどしているという。

 

 

 

 

 

伝説の残る「行人塚」 の写真▲伝説の残る「行人塚」

同院境内には目吹字庚塚にあった十王堂が再建されている。目吹字庚塚とは、行人塚のある辺りである。

天明5年(1785)の創建で、昭和53年に再建された。

中には、閻魔大王など十王(冥府に来た亡者を裁く十人の主)のほか、奪衣婆や人頭杖などの群像が安置されている。おどろおどろしい造形がちょっと恐い。

 

 

 

 

 

 

 

 

遍照院の観音堂の写真 遍照院の観音堂 壊れかけた浅間神社の鳥居の写真 壊れかけた浅間神社の鳥居 堤防の上にある天神社の写真 堤防の上にある天神社

再び7号線を南下する。左に香取神社、熊野神社、花光院、馬頭観音、稲荷神社、右に恵空寺と続く。これだけ定期的に寺社があるということは、古い街道なのかもしれない。

大杉神社を過ぎたところの信号を左に行く。やがて道なりに右カーブし、ゴルフ場をつっきる道になるが、この道の両側にも寺社が多い。

神明神社、香取神社、木幡神社、観正院(墓と小さな建物)、遍照院と、次々に姿を現す。遍照院の観音堂はなかなか趣のある建物だった。

 

 

ゴルフ場の敷地の端に浅間神社があった。小山のふもとに、壊れかけた赤い鳥居が道から見えた。浅間神社だから、この小山全体が信仰の対象となっていたのだと思う。

竹やぶの中の道をかきわけかきわけ進むと、頂上に壊れかけた社殿があった。境内には、ゴルフボールも散見された。

 

 


利根川河川敷にあるゴルフ場のすぐ脇に、天神社がある。最初はどこにあるのか分からなかったが、緑の堤防の上を歩いていくと、突き当たりが社殿になっていた。

こんな所に神社があるなんて、ちょっと驚きの光景だったが、境内に掲げられた縁起を読むと、この地域の氏神様のようだ。

社殿の裏にも道があり、一軒の農家に通じていた。

 

 

 

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三ツ堀・香取神社本殿の写真 ▲三ツ堀・香取神社本殿 西三ケ尾・浅間神社の写真 ▲西三ケ尾・浅間神社 西三ケ尾・琴平神社の写真 ▲西三ケ尾・琴平神社
利根運河のほとり

三ケ尾の寺社群

7号線をさらに南下すると、左にちょっと入ったところに三ツ堀の香取神社と円福寺が並んである。

この香取神社の本殿がなかなか面白かった。拝殿と本殿の間が庭のようになっていて、樹木などが植えられている。

 

 

 

県道を少し戻り、福田郵便局の交差点を市道に入る。江川排水路を越え、左手奥の浅間神社と琴平神社に行ってみる。

市道から小道に入った途端に、うっそうとした木立に囲まれる。やがて、左側に浅間神社、突き当たりに琴平神社が現れる。

浅間神社の鳥居は杉の丸太で作られているようだ。

両神社とも何だか恐かった。人気のない、ヒンヤリとした木立のなかにポツンとあるせいだろうか。その昔は、こんな神社が多かったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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香取・大杉神社の木立のなかの参道の写真 ▲香取・大杉神社の木立のなかの参道

市道沿い右奥に香取神社と大杉神社がひとつの境内の中にある。

土の参道の途中に石の小さな鳥居と石造物がある。参道の入口には、大木があり、その根本にも石造物があった。木立の中の参道が、いかにも昔のままといった雰囲気で、とても良い。

 

香取・大杉神社参道入口の石仏の写真 ▲香取・大杉神社参道入口の石仏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普門寺の閻魔大王像(右)と流れ着いた仏像の写真 ▲普門寺の閻魔大王像(右)と流れ着いた仏像

もときた市道を行くと、右に正覚寺、左に大杉神社と続き、右手に普門寺がある。

同寺は寛永元年(1624)開山で、「絹本著色(けんぽんちゃくしょく)釈迦涅槃図」は県指定有形文化財。毎年2月11日に公開される。

また、閻魔大王像は市指定有形文化財。承応元年(1652)の造立だという。

この像を見せていただいた時に、お堂の扉を開けると、右側に変わった造形をした仏像が鎮座していた。

ご住職にうかがったところ、江戸時代、まだ利根運河がなかったころ、利根川から溢れた水が寺の近くまで来て、この仏像が流れ着いたのだという。

大きな松ぼっくりのような胴体に、優しい仏様の顔がついている。由来など、詳しいことは全く分からないが、おそらく地蔵菩薩ではないか、という。

三ケ尾権現堂の木立に囲まれた参道の写真 ▲三ケ尾権現堂の木立に囲まれた参道 三ケ尾権現堂拝殿(右)の後ろの祠のような小さな本殿の写真 ▲三ケ尾権現堂拝殿(右)の後ろには祠のような小さな本殿が

 

 

国道16号線から市道に入り、三ケ尾権現堂に行く。

小さな階段があり両脇に石仏がある。緑の木立の奥に拝殿があるが、その奥の本殿をのぞいてみて、ちょっとびっくりした。

本殿は小さな祠だった。神社は本来、こうした小さな祠がもとになっていることが多いのかもしれないが、こうして本当に本殿が小さな祠になっている神社は初めて見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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南部小校庭の鳥居(香取神社)の写真 ▲南部小校庭の鳥居(香取神社) 櫻木神社社殿の写真 ▲櫻木神社社殿 櫻木神社の鳥居の写真 ▲櫻木神社の鳥居

梅郷駅の近くの南部小の校庭の一角が香取神社になっている。校庭入口に大きな鳥居が建ち、なんだか小学校自体が神社のようだ。

また、桜台にある櫻木神社の大きさには驚いた。あんなに大きな鳥居を見たのは靖国神社以来だ。結婚式場をかねているせいか、社殿も豪奢で大きい。

仁寿元年(851)に稲荷の祠を建立したのが始まりとされ、明治42年(1909)に鹿嶋神社を合祀し、櫻木神社と名付けられた。現在の社殿は平成7年に完成した。

 

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川間・清水公園周辺図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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第2回まつど逸品フェア「ぷらっと歩こう まつど逸品!」

松戸駅前21店舗で14日から31日まで

 

まつどぷらっとマップ(一部)の写真まつどぷらっとマップ(一部)

松戸駅周辺にぎやかし推進協議会では、14日から31日まで、第2回まつど逸品フェア「ぷらっと歩こう まつど逸品!」を開催する。

各店が独自のサービスや商品を提供し、その店らしさを表現する「一店逸品運動」。商店街の活性化策として全国的に広がっているこの運動に、松戸駅前商店街も約2年前より取り組んでいる。松戸駅東西口にある商店に参加を呼びかけ、集まった商店主等で視察や研究会を重ね、互いの店のいい所や悪い所を言い合いながら、各店が逸品を厳選し、昨年第1回を開催した。

今年は参加店舗を昨年の16から21店舗に増やし、その各店のオススメ情報と、散策に便利な松戸駅前歴史マップを合体させた「まつどぷらっとマップ」を作成。フェア参加各店の逸品を楽しみながら、地元の名所旧跡を巡る、松戸のまち歩きを楽しんでもらいたいとしている。

また、期間中には、ガイドが参加各店や名所を案内する「まつど逸品めぐりツアー」がおこなわれるほか、期間中に参加各店で買い物をしてスタンプ(3店分)を集めると商品が当たる「スタンプラリー」、新京成電鉄広報誌「Ciao(チャオ)」とのコラボレーション企画「松戸へ行こう!得々スタンプラリー」も開催される。

ツアーには、「プチセレブコース」(15日午前10時〜)や「グルメコース」(17日午後2時〜、22日午前10時〜)、「まつど名物おやじめぐり」(18日午後2時〜)のほか、会社帰りのサラリーマンやOLも参加できる「ナイトツアー」(27日午後5時30分〜)があり、各コース定員制となっている。参加費は、ナイトツアー2000円(お酒、飲食あり)、その他のコースは各500円(参加特典あり)。要申し込み(13日まで)。

問い合わせは、 電話 369・1470まつど逸品事務局、または電話 0120・18・9910(携帯からは電話 047・368・9610)まつどインフォメーションデスクへ。

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ROD、新鮮組が優勝

松戸市レディースソフト春季大会

第63回松戸市レディースソフトボール春季大会がこのほど、江戸川河川敷ソフトボール場で開かれ、出場14チームがAクラスとBクラスに分かれ、熱戦を展開した。

Aクラスでは、初戦の対レッドブリーズを7─0、続く2回戦の対寒風を1─0で退け勝ち上がってきたRODが、初戦、2回戦ともに大差で勝ち上がってきたピーキャッツを5─0で下し、優勝。

一方、Bクラスは、初戦の対オール南部を6─2、続く2回戦の対六香クラブを7─0、決勝の対馬橋ラッキーズを16─0で敗った新鮮組が優勝した。

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有森裕子氏講演会

21日、森のホール21

松戸市では、21日午後0時30分より、講演会「今、私たちにできること〜カンボジア王国と松戸市の交流を通して〜」を森のホール21で開催する。入場無料(手話・要約筆記あり)。

当日は、第1部として稔台小6年生とプレイベンクロン小(カンボジア)との交流発表、続く2部では元女子マラソン選手の有森裕子氏(ハート・オブ・ゴールド代表理事)らによる講演、第3部ではパネルディスカッションが行われる。

問い合わせは、電話 366・7310市国際交流担当室まで。

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