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バックナンバータイトル692号

家族、友達と離れたくない

比人家族が在留許可求め署名活動

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ガルシアさん家族

▲ガルシアさん家族

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松戸市在住のフィリピン人家族、ガルシアさん家族とカルマさん家族が法務省に在留特別許可を求め、支援者らが署名活動を行っている。両親は十数年前に来日し、超過滞在(オーバーステイ)になった。両家族には小学生と中学生の子どもがいるが、日本で生まれ育ったために日本語しかしゃべれない。強制送還になった場合、母国に両親の生活の基盤はなく、子どもたちにとっては生活習慣も違う「外国」での生活ということになる。また、子どもたちだけに在留特別許可が出た場合、両親とは離れ離れになってしまう。両家族は、日本で家族一緒に生活できることを求めながら不安な日々を送っている。

【戸田 照朗】

夫のガルシア・レネ・フェレラさん(40)が来日したのは1993年の3月。同年6月に妻のメリー・ジェーンさん(38)が来日した。95年10月には長女のアリアン・ジェーンさんが生まれ、98年11月には長男のケビン・キングくんが生まれた。

両親は2006年4月に自宅で東京入国管理局に摘発され、子どもたちは児童相談所に送られた。後に、両親と子どもたちに退去強制令書が発付された。

子どもたちは3か月後、夫の姉が引き取り、9月に妻のメリー・ジェーンさんが仮放免となり、子どもたちを引き取った。07年3月に、夫のレネ・フェレラさんが仮放免になり、約1年ぶりに家族4人での生活を送れるようになった。

ガルシアさん夫妻は取り調べの中で、内容をよく理解しないまま帰国に同意する旨の書面に署名したという。夫妻は、退去強制令書発付取り消しを求めて東京地裁に提訴したが敗訴。その後、高裁、最高裁に控訴していたが、今年1月に最高裁も敗訴となった。

この間、ガルシアさんの仮放免は1か月か2か月ごとに東京入管で更新されてきた。あす23日にも更新のために入管に出頭するが、裁判が終わったことで、いつ再び収容されてもおかしくない状況だという。

両家族を支援しているNGO団体APFS(アジアン・ピープルズ・フレンドシップ・ソサエティ)によると、既に退去強制令書が発行され、退去強制が確定している人が、その後の状況・環境の変化などを理由に、法務大臣及び入国管理局特別審理官に対し、再び審査を請求する再審情願という方法もあるという。「状況・環境の変化」としては、子どもの成長、病気、母国の家族の離散、などが考えられるが、ガルシアさん家族の場合は、子どもの成長が大きいのではないかという。長女のアリアンさんは、来月から中学2年生になる。APFSを通じて出頭した家族のうち、中学生以上の子どもがいる家族には他に法令違反がなければビザが出るようになってきているという。

アリアンさんは、現在河原塚中学校1年生で、小学校で始めた吹奏楽を中学校でも続けている。ケビンくんは稔台小学校4年生になる。昨秋からジュニア・ソフトボールのチームに入った。

支援の輪も広がっており、アリアンさんの学校の生徒たちも松戸駅などでの街頭署名活動に参加してくれた。

同級生の少女は「アリアンはクラスでもとても元気。いつも笑っている。でも本当は(今の状況は)苦しくていやだと思う。みんなアリアンが好きだし、本当に日本にいてほしい」と話していた。

アリアンさんも「友だちも沢山いて、みんな味方してくれる。優しい空気に包まれている。家族とも離れたくないし、友だちにもいやな思いをさせたくない」と話していた。

また、昨年の2月には「ガルシアさん家族の在留を求める会」もできている。

ガルシアさん夫妻は「私たちは、神様から授かったアリアンとケビンを大切に育てています。子どもたちが生まれた時から超過滞在という扱いをされていることに、親として申し訳なく、心が痛みます。親が自ら超過滞在となったのだから仕方ないだろうと思う方もおられるかもしれません。ごもっともであると思います」と話す。

ガルシアさんが来日した90年代初頭は、まだバブル経済の余韻が色濃く残っていた。外国人の単純労働は基本的に認められていないが、土木作業などの「3K」と言われる職場で日本経済を支えたのが外国人労働者だったことも事実。ガルシアさんは、毎年確定申告もしているという。

 

カルマさん家族

▲カルマさん家族

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ガルシアさんの自宅アパートには、アリアンさんやケビンくんがもらった賞状なども飾られ、そこには日本人家族と変わらない、つましい生活があった。

一方、フェルディナンド・トビアス・カルマさん(42)は88年に来日。日本語学校を卒業し、その後美容専門学校を中退した。フィリピンでの生活が困難であったことから、92年に再来日した。

94年にはオリベロス・ベティナ・メリアム・マラネスさん(44)と出会い、一緒に暮らすように。96年1月に長男のカール・ニッコくん、01年10月には二男ブライアント・ケートくんが生まれた。

07年5月にカルマさんは交通事故に遭い、駆けつけた警察官によって入国管理法違反容疑で逮捕された。8月に退去強制令書が発付され、カルマさんは処分の取り消しを求め、東京地裁に提訴したが、敗訴。現在高裁への控訴の準備をしている。昨年4月に長男のカールくんが中学生になったことから、再審の申し立てもしている。カールくんは現在、松戸六中の1年生。弟のブライアントくんは稔台小の1年生だ。

カールくんは「お父さんが捕まった時には、ショックで、泣いていて何もできなかった。フィリピンに帰っても、日本語しかしゃべれないし、生活も分からない。できるだけ早く在留特別許可を認めて欲しい。今を頑張るしかありません」と話していた。

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松戸自主夜間中学が2200回授業

記念講師に千石正一氏

 

松戸自主夜間中学校が1月6日に開講2200回目の授業を迎えた。これを記念して今月27日午後7時から勤労会館2階会議室で特別授業が行われる。講師は動物学者の千石正一氏。無料で一般の人も受講できる。

千石氏は、松戸市在住で、7自然環境研究センターの研究主幹、東京環境工科専門学校の講師、星槎大学客員教授などを務めている。TBSテレビの「わくわく動物ランド」に出演し、一躍有名に。1980年代にエリマキトカゲブームを起こした一人でもある。現在は同局の「動物奇想天外」に出演中。

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スペース 松戸自主夜間中学で行われている個別授業

▲松戸自主夜間中学で行われている個別授業

4月9日 柏にも自主夜中開設

また、松戸市に夜間中学校をつくる市民の会では、4月より柏市に「自主夜間中学」を開設することになった。毎週木曜日、午後6時から9時まで、柏市地域生活支援センター「あいネット」(柏駅東口より市役所方面に徒歩6分)内で開講。初回は4月9日。

松戸市に公立の夜間中学をつくることを目的に活動してきた同会は、その実践の場として26年間、松戸自主夜間中学を運営してきた。松戸自主夜中では、マンツーマンで教える個別授業と講義形式の一斉授業の2本立てで行われてきたが、柏自主夜中では当面の間は個別授業だけを行うという。

松戸自主夜中に柏市から通う生徒も少なくないことから、潜在的な需要が見込まれる。また、松戸市以外での開設は、夜間中学の必要性を広めることにもつながる、という。

同会の藤田恭平代表(82)は、「柏自主夜中は松戸の支店というわけではない。同じ志を持った人が柏で声を上げることが大切。松戸でもスタッフ不足などで何度もピンチがあった。その度に松戸市民が応えてくれた。それが私たちの支えになった。柏でも、きっと同じようになっていくはず」と話していた。

柏自主夜間中学への問い合わせは、TEL 090(5305)4100古賀さんまで。

【戸田 照朗】

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特別養護老人ホーム「秋桜」の「いどばたサロン」

▲特別養護老人ホーム「秋桜」の「いどばたサロン」

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栄町西の「秋桜」

特養ホームで「うたごえ」

ボランティアも募集中

 

 

栄町西にある特別養護老人ホーム「秋桜(こすもす)」では、月に1回、ボランティアによる「いどばたサロン」が行われている。「いどばたサロン」は昔懐かしい「うたごえ喫茶」のような雰囲気。入所しているお年寄りたちは、「月の砂漠」「荒城の月」「春が来た」「かあさんの歌」「影を慕いて」「ふるさと」「二人は若い」などの曲を伴奏に合わせて歌った。

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同施設では、専任のボランティアコーディネーターを置き、ボランティアの活用に力を入れているという。「いどばたサロン」のほかに、「お話しボランティア」や「散歩ボランティア」「子どもボランティア」などのボランティアも募集し、活動している。また、「囲碁」や「将棋」「手芸」「おりがみ」など特技・趣味を生かしたボランティアも募集している。

「いどばたサロン」でボランティアをしている下ふさ艶子さん(62)は、竹細工教室や車いす誘導のボランティアもしているという。「明るく温かいというのが自分のモットー。施設全体もそんな感じがする。ボランティアも高齢なので、入所者と話が合います」と話していた。

また、「いどばたサロン」に参加した入所者の女性は「本当に懐かしい歌ばかり。聴いているだけでも楽しい。2時間があっと言う間」と話していた。

同施設では、職員が無料の介護教室を開催したり、施設周辺のごみ拾い、町内行事の手伝い、障害者への支援などを行って、地域社会にも積極的に働きかけているという。

問い合わせは、TEL (703)1275秋桜まで。

【戸田 照朗】

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定額給付金 5月以降に

市「子育て応援特別手当」も支給へ

すでに一部の自治体で支給がスタートした定額給付金。松戸市では現在までのところ、4月中旬に申請書を送付し、5月初旬以降から順次、支給を開始する予定となっている。

市では、2月5日に定額給付金対応推進本部事務局を庁内に設置し、これまでその対応や準備を進めてきた。市民からは「いつ支給されるのか」、「早く支給できないのか」などといった問い合わせが寄せられており、特に定額給付金の支給予算である第2次補正予算が衆議院で再議決された3月4日には、同事務局だけで120件ほどの問い合わせがあったという。

市内の給付対象者は約48万人(約22万世帯)で、総支給額は約73億円。市では4月中旬に各世帯へ申請書類等の用紙を郵送する予定で、対象者は申請書に振り込み先の金融機関など必要事項を記入し、本人確認書類として運転免許証や健康保険証などのコピー、通帳の金融機関名、支店名、口座番号とカナ名義がわかる部分の写し(キャッシュカードのコピーでも可)を添付の上、同封される返信用封筒でポストに投函する。

また、定額給付金と同時期に支給される「子育て応援特別手当」をみなさん御存知だろうか。2002年4月2日から05年4月1日の間に生まれた第2子以降の子どもが対象で、1人当たり3万6000円が支給される。市内の対象者は約7000人で、総支給額は約2億6000万円。

申請や給付は2つの給付金(手当)で異なるが、例えば父母と小学生、幼稚園児の4人家族では定額給付金として6万4000円(1人1万2000円。ただし、65歳以上および18歳以下は2万円)、それに幼稚園児に対する「子育て応援特別手当」として3万6000円が加わり、今回の措置で計10万円が支給されることになる。

問い合わせは定額給付金がTEL (394)9292同事務局、子育て応援特別手当はTEL (366)3126児童福祉課児童給付担当室まで。

【竹中 景太】

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全国大会へ向け新キャストで

馬橋高「赤鬼」上演

1月の関東大会で見事初優勝し、夏の全国大会へ出場する松戸馬橋高演劇部が新キャストで「赤鬼」(野田秀樹・作、土田峰人・構成)を上演する。4月2日、松戸市民劇場ホールで14時開演。無料。同校では「この夏全国大会に出場する劇の第一歩です。多くの方に見ていただけたら」と話している。

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