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バックナンバータイトル681号

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信仰と物流の道 [序]

「諏訪道」を行く

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朝靄の中、島が浮いているように見える布施弁財天

▲朝靄の中、島が浮いているように見える布施弁財天

秋の散歩道として、「諏訪道」を紹介したい。諏訪道は、3年前に紹介した「鮮魚(なま)街道」と同じく物資の輸送路でもあり、また、柏市の諏訪神社への信仰の道でもあった。ルートなどについては山本鉱太郎さんの「房総の街道繁盛記」(崙書房出版)を参考にさせていただいた。

【戸田 照朗】

朝靄の中の利根川河川敷。布施河岸付近

▲朝靄の中の利根川河川敷。布施河岸付近

 

布施弁財天の本堂

▲布施弁財天の本堂

 

布施弁財天の鐘楼

▲布施弁財天の鐘楼

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江戸時代、北海道や東北からの米穀や海産物、銚子で水揚げされた魚介などは高瀬舟で利根川から関宿を回り、江戸川を経由して江戸まで運ばれた。

しかし、関宿付近は砂利が多い浅瀬で難所が多かった。特に渇水期は船で運ぶことが難しかった。そこで、利根川と江戸川の間をショートカットする陸路が発達した。利根川の河岸で物資を船から馬に乗せ替えて運び、江戸川の河岸で再び船に積んで運んだ。木下(きおろし)から行徳河岸までの「木下街道」、布佐から松戸の納屋河岸までの「鮮魚街道」、布施から流山の加村河岸までの「諏訪道」(約14キロ)がそれである。諏訪道は柏市の諏訪神社への参詣の道でもあった。昔は江戸川に「渡し」が多くあり、埼玉県側との往来も盛んだった。流山から渡し船で三郷などに渡り、耕作する農民もいて、中には埼玉県側に住み着く者もいた。そんなことから、諏訪神社を信仰する者は埼玉県側にも少なくなかったという。

後に紹介するが、諏訪神社は東葛地域では他に例を見ないほどの立派な神社である。

朝靄に浮かぶ布施弁財天

今回の取材では自転車を使用した。本来なら徒歩で行きたいところだが、ルートを探しながらの行きつ戻りつの旅なので、ご容赦いただきたい。

スタートは柏市の布施弁財天。まだ暗いうちに稔台の自宅を出て、国道6号線と県道を走り、約1時間半で着いた。周囲は朝靄(もや)にけむっている。まず、利根川の布施河岸のあたりを見ようと堤防に上ったが、利根川の河川敷は広く、水面ははるか彼方にしか見えない。朝露に濡れた草の中を歩いたせいでズボンが膝上まで濡れている。昇り始めた太陽の赤が朝靄に霞んでいる。振り返ると、布施弁財天のある小山がまるで島のように浮かんでいる。807年(大同2)7月7日の夜に紅竜が現れて島を築いたという伝説があるというが、まさに幻想的な風景である。

布施弁財天は江ノ島の弁天様、上野不忍池の弁天様とともに関東三弁天の一つに数えられるという。確かに、弁天様はいたるところにあるが、これだけ大きく立派な弁天様はそうはない。正式には紅竜山東海寺という。

本堂は1717年(享保2)に建立されたもの。間口11・6メートル、奥行き12・6メートルある。内部は本尊を安置する内陣と礼拝、儀礼用の外陣に区画され、周囲を高欄をつけた縁がめぐる。中世以来の密教仏堂の形式を受け継ぐとともに、彫刻や彩色に華やかな近世的作り方が見られるという。外陣の天井に狩野探幽の竜の絵、内陣の挌天井には本堂建立に協力した84人の大名の紋章があるはずだが、狩野探幽の絵は見えない。お寺に聞いたところ、護摩の煙で絵は見えなくなってしまったのだという。エックス線で調べたところ、確かに8頭の竜の絵が確認されたが、修復には数千万円がかかるため、そのままになっているという。

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また、鐘楼は1818年(文化15)の建立。八角形の石積基壇の上に、十二角形に柱を建て、周囲に円形の縁を巡らし、その中央に鐘を吊り下げている。軒下にある十二支などの彫刻が見事だ。

本堂と鐘楼は06年3月、千葉県指定有形文化財に指定された。そのほかに、境内には塔や門などがある。

きょう12日から来月3日までは、開山千二百年祭が催される。

布施弁財天の向かいには、あけぼの山公園がある。この公園には、小林一茶が弁天様を訪れた時に詠んだ「米蒔も罪ぞよ鶏がけ合ぞよ」の句碑が建っている。一茶は流山の支援者(パトロン)の一人、秋元双樹と1812年(文化9)2月12日に東海寺を訪れ、俳文と句を詠んだという。

この公園は桜の名所とのことで、多くのソメイヨシノが植えられている。野鳥を撮影に来た人が数人、大きな望遠レンズをのぞき込んでいた。風車のあるコスモス畑が美しい。日本庭園などもあり、旅のスタートにして、ゆっくりしていると1〜2時間はあっという間に過ぎてしまう。

実際に歩いた街道の行程は次号以降でお伝えする。

 

 

 

 

 

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スペース あけぼの山公園のコスモス畑

▲あけぼの山公園のコスモス畑

 

小林一茶の句碑

▲小林一茶の句碑

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諏訪道図(小)

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2全国大会に

全日本

松戸第一中合唱部

 

市立第一中学校合唱部=写真=が、きょう12日にNHKホール(東京・渋谷)で開催される「第75回NHK全国学校音楽コンクール」と、26日に香川県県民ホール「アルファあなぶきホール」でおこなわれる「第61回全日本合唱コンクール全国大会」の、2つの全国大会に出場する。NHK全国学校音楽コンクールは初、全日本合唱コンクール全国大会へは4年連続での出場となる。

スペース 松戸第一中合唱部

昨年全日本合唱コンクール全国大会の混声・同声の2部門に出場。同声で金賞、混声で銀賞を受賞するという快挙を達成した。今年は、両コンクールとも混声で挑み、それぞれ県大会、関東大会を勝ち進み、見事全国大会への出場を決めた。特に、NHK全国学校音楽コンクール(中学)は、関東で2校、全国でも11校のみ出場できるという狭き門だ。

一中は、顧問の近松洋子教諭が赴任してきてから合唱の強豪校となった。現在の部員は40人で、近松教諭の指導のもと、連日猛練習を続けている。その指導について、部長の田中杏奈さん(3年)は「要求されるハードルはすごく高いけど、それができた時はすごくうれしいし、楽しい」と話す。全国コンクールに向けては「これまで果たせなかったNHK全国学校音楽コンクールに出場できることが特にうれしい。2つのコンクールでは、もちろん賞もとりたいけど、何より悔いの残らない合唱をしたい。楽しんでやりたいと思っています」と話していた。

【竹中 景太】

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世界戦に挑む榎洋之選手

▲世界戦に挑む榎洋之選手

 

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24日 世界戦へ

市内在住のプロボクサー 榎洋之選手

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市内在住のプロボクサーで、前東洋太平洋フェザー級チャンピオンの榎洋之選手(29・角海老宝石)が24日、東京・後楽園ホールで世界戦に挑む。相手はWBA世界王者のクリス・ジョン選手(インドネシア)。タイトルを9度防衛し、42戦無敗という強敵だ。

榎選手は、06年1月にKO勝ちで東洋太平洋のタイトルを手にしてから「次は世界」と意識を高めてきた。同年9月には世界ランカーのナデル・フセイン選手(オーストラリア)を判定で破り、実力を証明したが、なかなか世界へ挑戦する機会はめぐってこなかった。今年4月には栗生隆寛選手(帝拳)と戦い、接戦の末、引き分けに終わった。

「世界戦が決まった時はうれしかった。でも、すぐに試合に向け気持ちが切り替わった。相手は強いが気にしてもしかたがない。それよりも、自分がどうするかということ。自分の動きをしないかぎり勝てない」

榎選手を世界王者に、と地元松戸や故郷の秋田市にも後援会ができた。2年前には悦智子さんと結婚し、娘にも恵まれた。

「ここまでこれたのは自分の力だけじゃない。みんなのためにも、ふがいない試合だけはしない。やることはやった。あとはこれをぶつけるだけ」

14歳でボクシングをはじめ、98年8月のプロデビュー以来、11年間で29戦無敗。万感の思いを込めて24日のリングに上がる。

【戸田 照朗】

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六実っ子まつり開催

 

第10回「六実っ子まつり」=写真=が26日9時30分〜15時、六実中央公園と六実市民センターで開催される(雨天の際は、六実第三小学校の体育館付近に変更)。地域の24団体で構成される「六実地区子育て井戸端会議」が行なう地域ぐるみでのイベント。ピエロのパフォーマンスショーをはじめ、作って遊ぼうコーナー、もちつき、おはなし会、高齢者擬似体験なども行なわれる。
自転車・自動車での来場不可。問い合わせは1388・1190実行委事務局。

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スペース 六実っ子まつり開催

盲導犬交流会 スペース

盲導犬交流会参加者募集

 

第5回盲導犬交流会=写真=が26日、21世紀の森と広場(木もれ陽の森)で開催される。市内で活動する「盲導犬を普及させる会」の主催で、盲導犬ユーザーとバーベキューを楽しみながら目の不自由な方との接し方や盲導犬についての知識を啓発する。26日午前11時に現地集合で、会費は無料(募金あり)。小雨決行。

先着120人(15日締め切り)。

申し込み・問い合わせは1090・2627・2493、FAX367・4035事務局の森さんまで。

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聖徳中高で動物愛護展

秋山の聖徳大学附属中学・高校で、きょう12日、9時から14時30分まで聖徳祭(文化祭)が行われる。この中で今年も生徒が「どうぶつたちへのレクイエム」と題した動物愛護についての展示を行う。毎年全国で30万頭以上の犬猫が殺処分されている現状や、どうしたら処分数が減るのか、捨てる人が少なくなるのかについて生徒達が工夫して発表する。また、毛皮使用反対などを訴えるほか、写真家の児玉小枝さんの写真展示を企画している。

展示観覧希望者は、正門で「新聞に載っていたレクイエムの展示を見に来た」と申し出を。担当は事務室の神田さん。1392・8111。

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スペース 動物愛護センターで処分の日を待つ犬たち

▲動物愛護センターで処分の日を待つ犬たち