松戸よみうりロゴの画像

▲ バックナンバーメニューに戻る ▲

バックナンバータイトル655号
スペース

坂川にアユ

21センチの大物も 水質浄化で戻る

 

坂川で育った体長21センチのアユ

▲坂川で育った体長21センチのアユ(田中利勝さん提供)

坂川で体長21センチにもなる大きな大人のアユが発見された。先月22日、国土交通省江戸川河川事務所が行ったイベントで講師を務めた「江戸川の自然環境を考える会」の田中利勝さんは、参加者に坂川の生き物を見せようと、朝から網を張っていた。その網に体長21センチと17センチの大きなアユがかかった。

【戸田 照朗】

坂川流域図

▲坂川流域図(クリックで拡大

スペース

田中さんによると、アユが育ったのは、角町のレンガ橋から伊勢丹前までの坂川。レンガ橋を過ぎた後のカーブで少し川幅が狭くなり、ここに流れができる。アユが育つ環境としては、流れがある清流で川底に礫(れき)や小石があることが欠かせない。アユは石についたコケを食べて大人になるからだ。坂川でも川底が泥で覆われているところではダメだという。

田中さんは、昨年も十数匹の大人のアユを発見しているが、みな体長12〜16センチと小ぶりだった。「江戸川からアユが入ってくるのは柳原水門のところでしょう。アユが食べる坂川のコケは、そんなに多くない。昨年は多くのアユが入ったので小ぶりになった。逆に今年は少なかったので、大きく成長することができたのでは」。

アユの一生

アユの一生は1年。利根川上流で大人になったアユは、秋が近づく頃に川を下りはじめ、10〜11月頃に利根川の中・下流域や江戸川で産卵する。卵は半月から1か月程でかえり、約7ミリの仔魚(しぎょ)となる。仔魚は川の流れに乗って海に向かう。50時間以内に海にたどり着かないと死んでしまう。仔魚は三番瀬などの東京湾沿岸でプランクトンを食べて成長する。約6〜7センチに成長した稚アユは、3月頃から川をのぼりはじめ、6月頃までにはのぼりきる。夏になると冷たい水を求めてさらに上流へ。体長も10センチ以上に。そして秋になると、また利根川中・下流域や江戸川まで下り、産卵をして一生を終える。

坂川で見つかったアユは、春に江戸川をのぼり、偶然、坂川に入り込んだもの。坂川で産卵している可能性もあるが、仔魚が川の流れに乗っていくと古ヶ崎浄化施設に入ってしまうので、そこで死んでしまう。つまり、坂川のアユは一代限りということになる。

「かわいそうだけど、川の流れに乗って海に戻るという性質上、しかたのないことでしょう。それでも、アユが夏をこし、大人になるだけのエサが坂川にあるということはすごいことなんですよ」と田中さんは話す。

坂川の再生

坂川は以前はヘドロと悪臭の川だった。水質汚染の目安となるBOD(生物学的酸素要求量)は1970年、赤圦樋門で136を記録した。90年頃までは20〜40前後で推移し、95年に環境基準の10を切る。2006年は1・8と劇的に改善している。
東京、埼玉、千葉の人々の水源となっている江戸川の水質汚染は深刻な問題だった。江戸川の水質汚染の原因の50%は坂川の汚染水だと言われていた。坂川の水質の改善は松戸市だけでなく近隣自治体や、国にとっても急務だった。水質改善には、市や河川愛護団体による啓蒙活動や、下水道の普及のほかに、98年に古ヶ崎浄化施設と流水保全水路(ふれあい松戸川)が完成したことが大きい。99年には、利根川から水を引く北千葉導水路も通水している。
坂川の水は古ヶ崎浄化施設で浄化され、流水保全水路を通って、小山堰で再び坂川に戻される。この水の循環が水質浄化に大きな役割を果たしている(左地図参照)。

スペース

文化祭で動物愛護を訴え

聖徳大附属中の生徒らが企画展

秋山にある聖徳大学附属中学校で、来月7日、聖徳祭(文化祭)が行われる。この聖徳祭の中で、丸山エミさんら8人の3年生が動物愛護についての展示を行う。丸山さんらは、富里市にある県動物愛護センターと、柏市高柳にある同センター東葛飾支所を見学。展示に向けての準備を進めている。展示では、毎年30万頭以上の犬猫が殺処分されており、千葉県が全国で一番多いという現状や、同センターでのしつけ教室や譲渡会の情報、不妊去勢手術の大切さ、毛皮使用反対などを訴えるほか、写真家の児玉小枝さんの写真展示を企画している。

聖徳祭では、4年前と3年前に同校の出身で、現在は職員となった神田麻美さん(31)が、「同窓生展示」として、同高校の生徒3人と動物愛護の展示を行った。神田さんは動物愛護団体JAVAにも所属しており、動物実験や毛皮使用の問題、殺処分される犬猫の現状や、児玉さんの写真展示などを行った。

同校は、中高一貫校で高校の文化祭も同日に開催されるが、当時、高校生だった社本望(しゃもとのぞみ)さん(同大1年)が、展示を見て感動し、翌年高校3年の時に3人の仲間と動物愛護の展示を開催。神田さんの展示を引き継いだ。今回の中学生による展示は、社本さんの展示に影響を受けたもので、後輩へと引き継がれた形だ。

スペース
スペース

動物愛護の展示をする聖徳大附属中の生徒らと収容されている犬

▲動物愛護の展示をする聖徳大附属中の生徒ら(上)と生徒が撮影した動物愛護センターに収容されている犬

展示を企画している中学生たちは「殺処分をしている県の職員の方もやりたくてやっているのではない。飼い主が責任を持つことが大切」「愛護センターでは、収容から1週間で殺処分になる。まっすぐ、こちらを見ている犬の目が本当にかわいそうだった」「動物を救うためには、一人ひとりができることから始めないと。まず自分の飼っている犬のしつけをちゃんとして、大切に飼いたい」などと話していた。

聖徳祭入場には、チケットが必要。観覧希望の方は、事前に1392・8111で事務室の神田さんまで連絡を。

【戸田 照朗】

▲ このページのTOPへ ▲

不妊去勢キャンペーン

首都圏約80の動物病院とボランティアによる「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」は、今年も通常料金の半額程度で犬猫の不妊去勢手術を提供する「不妊去勢キャンペーン」を実施する。

保健所へ持ち込まれ、殺処分される犬猫の約80%が子犬子猫。同ネットワークでは、「動物の愛護及び管理に関する法律」の啓蒙を促進するとともに、趣旨に賛同する獣医師の協力のもと、不妊去勢手術の必要性を訴え、同キャンペーンを毎年実施している。過去17年間に首都圏で約5万頭の手術を援助してきたという。

【不妊去勢キャンペーン】▼対象=手術費用にお困りで、東京、神奈川、千葉、埼玉の指定病院に連れて行ける方 ▼手術期間=9月20日から来年3月末日まで ▼申し込み方法=手術を受けさせたい・犬猫の別・性別・頭数・申し込み者の住所、氏名、電話番号を封書の裏側に明記し、90円切手を貼った返信用封筒(申し込み者のあて先を記入)を同封の上、〒285│0807千葉県佐倉山王郵便局局留「不幸な犬猫をなくすネットワーク千葉」行へ ▼キャンペーン期間中の手術料金=猫メス1万500円、オス5500円。犬メス1万8500円、オス1万500円(犬のみ15・以上は料金加算) ▼インフォメーション=1 03・5686・2612 ▼ホームページ=http://inuneko.milkcafe.to/


川井市長、島崎会長、宇田川正副市長

▲川井市長、島崎会長、宇田川正副市長

スペース

被災者に義援金100万円

ハローマートの来客、社員の浄財を新潟に

ハローマートの島崎征治代表取締役会長がこのほど、松戸市役所に川井敏久市長を訪ね、新潟県中越沖地震災害義援金にと100万円を寄付した。

ハローマートでは地震発生直後から8月いっぱいまで、市内にある5つの店舗と柏の店舗、また本社内に義援金箱を設置し、来客、また従業員らから浄財を募ってきた。このうち、店頭に置いた義援金箱には41万円が集まったという。

島崎会長は「被災の模様などをテレビを通して観て、何かやらなければと思った。少しでも被災者のために役立ててもらえれば」と話し、義援金を預かった川井市長からは感謝の言葉が述べられた。

なお、ハローマートではこれまでにも、阪神大震災の際に同様の活動などをおこなっている。

【竹中 景太】

▲ このページのTOPへ ▲

スペース