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バックナンバータイトル645号
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貴重な緑に黄色信号

「関さんの森」に道路計画

 

関さん宅の庭

▲古い蔵や門、樹齢200年の木々も残る関さん宅の庭。幅員18mの都市計画道路は、この庭のほとんどを占めることになる

43年前に作られた道路計画が、市内に残された貴重な緑の存続を脅かしている。都市計画道路3・3・7号線(横須賀紙敷線)は、昭和39年9月14日に計画決定し(当時は2・1・4号=幸谷高塚線)、起点、終点、幅員など6回の変更を経て現在まで残っている。計画では、関さんの森に隣接する二ッ木・幸谷土地区画整理事業区域の中を通り(建設中)、関美智子さん(71)宅の庭を通って新松戸方面に抜ける道路と接続する。関さんの森と呼ばれる緑地は関さん宅の裏山だが、むつみ梅林、関邸、裏山が一つの緑地を形成しており、幅員18mの道路が193mにわたり緑地を分断して通ることになる。

【戸田 照朗】

関さんの森地図

道路計画地図

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関さん宅には、昨年暮れと今年1月に川井敏久市長が説得のために訪れたが、森などを見て「こんないい場所は残さなければ」と話し、同伴した都市整備本部長に図面の引き直しを命じたという。同本部長と担当者は、2月15日に関さん宅を訪れ、変更案2案を示した。1案は関さん宅の庭の上にコンクリートの陸橋をかけるというもの。もう1案は、道路の幅員を18mから11mに減らし、関さん宅の垣根沿いに梅林の中を通すというもの。いずれも生態系や古い建物の保護には影響が大きいとして、関さん側は受け入れなかった。

また、先月31日には関さん側の要望で、道路計画の経緯などを説明するために同本部長ら7人の職員が訪れた。この席上、同本部長は「私としては、なんとしても緑を残すという思いを形にしたい。誠意を持って話し合えば活路はあるだろう」などと話した。

関さん宅の庭には、古い蔵などの建物や樹齢200年という木々が生きている。市の職員が訪れた先月31日には、樹齢100年という桜が満開だった。関さんと、関さんの森を育む会では、これらの木々や歴史的建造物である蔵や門を、そのまま一つの風景として残そうという「エコ・ミュージアム」設立の計画を立てている。

地域の自然環境を護る運動は、関さんの父親の武夫さん(故人)らが作った育森会の時代から続いている。3・3・7号線についても、昭和51年12月に地下にトンネルを作って通す案を議会に陳情し採択されたが、実現には至らなかった。 「関さんの森」は、樹齢100年以上のスダジイやケヤキなどが生い茂る1・1haの森。関邸と梅林を合わせると、2ha余りの緑地となる。以前はフクロウも生息していたが、近年の周辺の環境の悪化などのためいなくなってしまった。数年前にはアオバズクの営巣が確認されるなど、市内に残る貴重な里山だ。

この森を所有していた関さんら3姉妹は、市内の緑が減り行くなか、「森をそのまま永遠に残したい」と、平成7年に7埼玉県生態系保護協会にに寄付。森を維持管理するために、地域の人たちが集まって「関さんの森を育む会」を作り、自然観察と里山を維持するための作業を行っている。

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プラーレ松戸でペンギン教室

地球温暖化防止について考える

 

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地球温暖化防止のための「チームマイナス6%」に参加しているプラーレ松戸では22日の「アースデイ(地球の日)」に地球温暖化について考えるイベントとして「ペンギン教室」を屋上で開催する。サンシャイン国際水族館から来たケープペンギン5〜6羽が特設ステージを歩くほか、ペンギンの生態を学ぶ。イベントは11時〜16時。「教室」は12時と14時の2回を予定。1331・7777。

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スペース サンシャイン国際水族館のケープペンギン

▲サンシャイン国際水族館からケープペンギンがやってくる!


紙敷土地区画整理事業の今

保留地売却、再減歩など問題はそのまま

 

バブルの崩壊などにより地価が下落し、当初計画に加わっていた大手デベロッパーに撤退され、金融機関から貸金などの返済を求められ提訴されるなど、泥沼化していた紙敷土地区画整理事業。平成16年3月に松戸市紙敷土地区画整理組合と金融機関の和解が成立し、実質上ストップしていた事業が本格的に再開する、と本紙第573号(平成16年4月11日発行)で伝えたが、ここのところ東松戸駅周辺で急ピッチに工事がおこなわれ、駅周辺も様変わりしてきた。これは、多くの問題を山積していた同事業が順調に進んできたからなのか。紙敷の現状を取材した。

【竹中 景太】

駅前の一部ではマンション建設も

▲駅前の一部ではマンション建設も

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何も変わっていなかった。いや、少し見た目が変わっただけで問題は残っているままだった、と言ったほうがいいのか。結論から言うと、こういうことになる。

同事業は、JR武蔵野線と北総線が交差する東松戸駅周辺の区画整理を目的にスタートした。ちなみに区画整理とは、地権者が互いに少しずつ土地を提供することで、道路や公園などの公共用地、さらには工事費などの事業費を生みだし、まちを作っていく事業のことだ。

昭和62年の事業認可から、当初5か年事業として計画された同事業は、デベロッパーの撤退を境に急落していくことになる。デベロッパーは事業における全体像を描き主要な工事を受け持ち、それと同時に事業費を生み出す土地(保留地)の大きい部分を購入する役割を持つ。その際、工事費を保留地の売却利益でまかなう契約をデベロッパーとの間で交わすのが一般的だが、紙敷はその方式をとらず、保留地を工事費を上回る価格で売却できると見込み、結果、デベロッパーに撤退された。それでも工事は進められたが、残ったのは多額の負債と売れ残った保留地だけだった。

ここで問題となるのは、デベロッパーとの契約に関し、それを提案したのが松戸市であること。そして、こうした実態がこれまで、一般の組合員(地権者)に一切の説明もないまま、組合上層部だけで進められてきたことだ。まして、初めて実態を聞かされた組合員にその場で求められたのが再減歩、つまり当初組合員が提供した土地だけでは事業を達成できないから、さらに組合員に土地を提供してもらいたい、という要求だった。

金融機関から借り入れた事業資金の返済も滞り、保留地は差し押さえられ、事業は完全にストップ。その後、金融機関との和解が成立し、保留地を売却できるようになったことで事業が再開される――。これが、大ざっぱだが、これまでの経緯だった。

今回の取材でわかったのは、いくつかの大きな保留地が売れたことで工事がおこなわれ、駅前周辺にマンションなどが建設されたこと。そして再減歩の問題は残っていること。

同意していない組合員、同意しているものの条件をつけている組合員も大勢いる。ここで言う条件とは何なのか、再減歩により多額の負担をおうことになる組合員の一人が説明してくれた。「現在の事業は、金融機関との和解条件にのっとり、新たな事業計画のもと進められています。その計画では、再減歩などをしても26億円が不足します。内、13億円は金融機関への利息などで、これは平成21年3月までに貸金等の返済をすれば請求されません。残り13億円については理事が負担することになっているはずなんですが、どうも…。この件が解決しない限り、同意はしません」。

また、この組合員は残った保留地が本当に売却できるのか危惧している。「ある程度大きいところは売れるでしょうが、残りの保留地はどうでしょう。当初の計画性のない計画から、学校も近くにない。そのため、この治安が悪い中、40分くらいの時間をかけて通学している小学生もいる。駅前にはスーパーができましたが、その他にめぼしい商業施設もない。駅に近いだけで、とても魅力的なまちとは…」。

未だ率先して責任を果たそうとしない組合理事、ただ事業を進めるだけでまちづくりを描けない市。果たして、21年3月までに事業を完済できるのか。再減歩の問題をクリアし、再減歩はおろか当初より計画に反対している地権者を説得し、残った保留地をすべて売却できるのか。できなければ金融機関との和解はご破算になり、さらに泥沼化していくことなる。

【竹中 景太】

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「松戸矢切葱拉麺」完成

松戸発新ラーメン 桜まつりで実食会

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矢切ねぎ片手に呼び込みをする森田仁さん

▲矢切ねぎ片手に呼び込みをする森田仁さん

 

松戸矢切葱拉麺

▲松戸矢切葱拉麺

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五香の有名ラーメン店「13湯麺」の店主・松井一之氏と究極の麺を求めて世界を旅したタレント・森田仁氏(BBコアラ番組「森田大百科」主演)の共作による、松戸の地場野菜「矢切ねぎ」を使用した創作ラーメン「松戸矢切葱拉麺」がこのほど完成。先月31日には、五香さくら通り沿いにあるらーめん寺子屋(塾)で完成記念実食会が開催された。なお、実食会は今月11日から15日までイトーヨーカドー松戸店で実施される「ラーメン大会とスウィーツフェア」でもおこなわれる。

松戸発新ラーメン「松戸矢切葱拉麺」は、BBコアラ番組「森田大百科」の企画により始動。その名も「麺道」。松戸を盛り上げたい、地域の活性化の目玉を、と考え出されたのがラーメンで、これまで番組と連動する形で素材選びから麺、スープ作りなどをおこなってきた。完成したラーメンは試食会を経て、今回桜まつりで大勢の人でごった返す中、1杯500円で提供された。

「松戸矢切葱拉麺」の特徴は、何といっても矢切ねぎを使用しているところ。使用されているのは、矢切にある平川農園産の矢切ねぎ。それを天ぷらのかき揚げにしてラーメンの上に乗せている。かき揚げそばならぬかき揚げラーメンだ。

実食会は正午からおこなわれ、松井さん森田さんの呼び込みの甲斐もあってか、開店から大盛況。「かき揚げとは考えたね。おいしいよ」「ねぎが甘くていい。大満足」と、お客さんからも好評を得ていた。記者も実際に食してみたが、これがなかなかイケる! 普段はこってりラーメンが好きなのだが、あっさりしたスープに、下矢切にある佐藤製麺所特製の細麺、それに矢切ねぎのかき揚げがマッチしていて、「こういうのもアリだな」と感心させられた。

今回のラーメン作りに全面的に協力している松井さんは「今の段階では満足なもの、最高のものができたと思う。森田さんはじめ、多くの人と作り上げただけに難しかったけどね」と話していた。

なお、イトーヨーカドー松戸店で実施される「ラーメン大会とスウィーツフェア」での実食会は、1日150食の限定。パックラーメン(2食入り500円)での販売もおこなわれるが、会場でその味をぜひ。実食会は各日正午から予定されている。

【竹中 景太】

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