伊勢丹松戸店を後押し

有志がヴィンテージカーを展示

先月26日と27日、伊勢丹松戸店前の広場で12台の日本のヴィンテージカーが特別展示された。同店で開催された売り出し企画「春袷(はるあわせ)の会」に合わせて企画されたもの。売り場面積の縮小、業態転換などが検討されている同店の売上に貢献するため、秋の松戸まつりで15年間続いている「松戸クラシックカーフェスティバル」に参加しているクラシックカーのオーナー12人が協力してコレクションを展示した。同フェスティバルを企画している昭和の杜博物館の吉岡光夫さん(67)が、同店の橋淳央店長から相談を受け、今回の催しにつながったという。特に好天に恵まれた26日には多くの来場者がスマートフォンのカメラで撮影する姿などが見られた。

伊勢丹松戸店前広場に展示されたヴィンテージカーの写真▲伊勢丹松戸店前広場に展示されたヴィンテージカー

昨年の同フェスティバルには80台が参加。全車改造がされていないノーマル車で、車検に通り自走できる「現役」だ。今回展示された12台のうち10台は市内のオーナー。吉岡さんが展示した三菱デボネアは1964年に製造が始まった当時の高級車で、22年間も当初の基本デザインのまま製造が続けられたことから「シーラカンス」と呼ばれている。映画会社が撮影用に使っていた車で、塗装も当時のままで、非常に保存状態が良いという。

吉岡さんは、「市役所や観光協会、商工会議所でも伊勢丹のことが話題になります。やはり、松戸の中心市街地のシンボル的存在ですから、なくなると寂しい。伊勢丹を軸にしたまちおこしとして、私たちにできることがあれば協力したかった」と話した。

ヴィンテージカーの展示を担当した同店営業統括部の小池隆裕さんは、「この年代の車を懐かしむお客様もいらっしゃいますし、逆に若いお客様は新しいものとして見ていらっしゃいます。二つの層のお客様に楽しんでいただいているというのが実感です。ものが売れない時代ですので、こういったものをお客様に提供していくというのは、百貨店が生き残っていく上では重要なポイントになると思います。今回ご協力いただいて、大変ありがたく思っています。今後もこういった企画を続けていけたら」と話した。