市が飼い主のいない猫の不妊・去勢手術に助成金

生活環境の保全と動物愛護が目的

 松戸市は、飼い主のいない猫の増加を抑え、市民の良好な生活環境の保全と動物愛護思想の普及を図ることを目的に、6月より飼い主のいない猫の不妊・去勢手術に助成金を交付している。

地域ねこの写真

 手術費用のうち1件につき5000円を限度として交付し、1人につき手術は10件まで。受付は来年3月31日までだが、予算額75万円に達し次第締切る。既に9月25日までに74件に交付した。

 補助対象者は、①松戸市に居住し、かつ、住民基本台帳に記録されていること、②市税を滞納していないこと、③松戸市暴力団排除条例に規定する暴力団員でないこと、④不妊・去勢手術を実施し、その費用を負担した者であること、が条件。

 市に生息する(市内で捕獲した)飼い主のいない猫に対し、来年3月31日までの間に指定動物病院で実施する不妊・去勢手術が、補助の対象となる。手術済であることを識別するために、施術後に、オスは右耳、メスは左耳にV字カットを行わなければならない。

 助成は来年度も継続予定。問い合わせは、市環境保全課 電話 366・7336まで。

地域ねこ活動

 手術済の猫に行う耳のV字カットは「地域ねこ活動」を行うボランティア団体などでは、広く知られている。千葉県が発行している「地域ねこ活動に関するガイドライン」には、地域ねこの定義として、「地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいないねこのこと。その地域にあった方法で、管理者を明確にし、対象となるねこを把握するとともに、餌やふん尿の管理、不妊去勢手術の徹底、周辺美化など地域のルールに基づいて適切に管理し、これ以上数を増やさず、一代限りの生を全うさせるねこを指す」とある。また、「地域ねこ活動は地域住民と飼い主のいないねことの共生を目指し、不妊去勢手術を行ったり、新しい飼い主を探して飼い猫にしていくことで、将来的に飼い主のいないねこをなくしていくことを目的としている」とある。

 県では平成22年度、5512匹が引き取られ5042匹が殺処分された。市の取り組みが、地域ねこ活動にまで広がることを願う。